3大キーワードから紐解くイタリア的ファッションとは?
エル・オンライン初のイタリア特集に、数あるモード誌や各界で活躍するファッションジャーナリスト藤岡篤子さんが特別寄稿。“メイド・イン・イタリー”の刻印がもつ技術や素材の素晴らしさについて解説。これを読めば、イタリア発の最新モードを身に着けることが10倍楽しくなること間違いなし!
テキスタイルが生み出す創造性、親から子へと受け継がれる職人芸
繊細にメランジされた何色とも形容しがたいニュートラルカラー、背中に吸いつくようにフィットするジャケットの仕立て、肩がうっとりする心地良いカシミアのニット。加えてアバンギャルドなほど奔放なデザインの靴、バリエーション豊かなバッグなど、“メイド・イン・イタリー”のアイテムは私たちのファッションに、今やなくてはならない存在だ。クローゼットを見ると、その多くがイタリア製であることに驚くし、また高級感が溢れながら実用性に富んだデザインであることに納得する。
例えば「ジョルジョ アルマーニ」の洗練されたスーツは、イタリア独特の繊細なテクスチャーと色彩なくしては成立しないだろうし、セクシーな「ドルチェ&ガッバーナ」のメンズ仕立てのジャケットは、ナポリのサルトリアを抜きにしては語れない。美しい配色とモチーフの「エトロ」や「アニオナ」のスカーフは、家族代々守られてきた伝統が築き上げたものだ。
パリのオートクチュールの縫製基地として、またテキスタイルの生産基地として発祥したイタリアン モーダは、縫製の技術もテキスタイルもすべて、国内で世界最高レベルを保持しているという点で、今や世界のファッションをリードするトレンドセッターとして君臨している。
Text: ATSUKO FUJIOKA
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藤岡篤子さんプロフィール
国際羊毛事務局(IWS)婦人服ファッションコーディネーターを経て、ファッションジャーナリストとして活動を開始。新聞からファッション誌まで幅広いメディアに執筆。日本のファッション誌にとどまらず、中国版でも連載を担う。専門用語を分かりやすく解説する原稿には定評があり、家電、化粧品など異業種企業、団体等の講演も多い。年2回開催される「藤岡篤子ファッション・トレンド速報セミナー」は、編集者、アパレルのバイヤーやデザイナーなどを中心に高い評価を受け、日本一の動員数を誇る。 著作に『買い手が変われば売り手が変わる』(日本能率協会)。
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