「忘却 featuring KOHH」のMVが公開されたのは、2017年に入ってから。2016年9月にアルバムの収録曲として発表され、多くのファンがついてしまったこの曲のMVを後出しで制作するのは相当ハードルが高いこと。そのハードルをいとも簡単に越えて、この曲を更にクールなものに昇華したのが監督を務めた山田健人（dutch_tokyo）。

彼は映像クリエイターとして活躍するだけではなく、yahyelのバンドメンバーのひとりとして、VJを担当。24歳のクリエイターは、某大学のメディアデザイン研究科に通い、デザイン思考を学ぶ現役大学院生。（元アメフト部という過去も！）宇多田ヒカルが今回のMVを制作するにあたって、直接彼を指名したという逸話もあるまさに、アメリカン・アイドル的な大抜擢。とは言えども元々サチモスやキャンディタウンといった日本のユースカルチャーを牽引しているアーティストのMVを作っているのだから、若いのにも関わらず実はキャリアあり。

国籍不明な音楽性をコンセプトにしている注目バンドyahyelでは、ボーカルやギタリストなど奏者としてではなく、VJとして参加。MVを見ればもうその独特な世界観に吸い込まれること間違いなし。バンドとして匿名性をコンセプトにしている彼らは、ライブ中であろうと演奏者の身体に注目がいきすぎないよう、山田健人（dutch_tokyo）のVJを介して曲の演出をしているのだそう。色々説明しちゃいましたが、一発見ていただければこの洗練された映像美に痺れていただけるはず。