ニュース 2017/6/7(水)

“ヒーロー”が女子で大ヒット110億円! 『ワンダーウーマン』が覆したマーケティング

ゴレンジャーでピンクが紅一点のヒロインだった時代はとうの昔。今は女子が“ヒーロー”で映画が売れる! マッチョなスーパーヒーロー『アイアンマン』を抜く売上1億ドル超えを、女子が主役のアメコミシリーズ最新作『ワンダーウーマン』が打ち立てた。

「美少女戦士セーラームーン」や「プリキュア」のように女子がチームになって戦う物語とも違い、ワンダーウーマンはか弱い男子を助け、かつひとりで男どもをなぎ倒す。

(C)2017 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.AND RATPAC-DUNEENTERTAINMENT LLC

女性だけの島で育ったアマゾン族のプリンセスが、ワンダーウーマンとなって正義の鉄拳で悪をなぎ倒す、DCコミック原作の女性戦士物語。
  
いわゆるアマゾネスもの、レスボス島ものをベースに、第二次世界大戦中に生まれたキャラクターで、“ジャスティス・リーグ”唯一の女性ヒーローでもあるワンダーウーマン。1970年代に始まったドラマシリーズで主演のリンダ・カーターが纏ったコスチュームは、アメリカの視聴者だけでなく世界中のデザイナーに影響を与えてきた。
  
https://www.youtube.com/watch?v=lOOnCFzY4us

そんな伝説の物語『ワンダーウーマン』の最新バージョンが6月2日に全米公開をスタートさせたところ、なんとたった3日で1億50万ドル(約110億円)を記録してしまったというから、世界中が驚いた。というのもこの記録、数あるアメコミヒーロー第一作目として、『アイアンマン』の9861万ドル、『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』6510万ドル、『マイティ・ソー』の6570万ドルも軽々と抜きさってしまうもの。さらに『キャプテン・アメリカ』に関して言えば、続編『ウィンター・ソルジャー』の記録(9502万ドル)をも超えてしまっている。

1975年からスタートした「ワンダーウーマン」のテレビ・シリーズ。ミス・ワールド米国代表にもなったリンダ・カーターが主演しお茶の間の人気者に。

Photo : Getty Images

1975年から始まったドラマシリーズが、1966年にパイロット版となるショートムービーを制作してから、再パイロット版のABCテレビムービーをはさみ、シリーズ化されるまでに約10年の時を要したように、今回の映画『ワンダーウーマン』も御多分にもれず「女性が主役のヒーローものは売れない」というネガティブな意見と偏見が常についてまわっていた。
 
ところがフタを開けてみたら大ヒット! アメリカ以外の55か国でも1億2250万ドル(約134.7億円)の快挙を達成。見事に偏見を覆した。
 
しかもこの作品は監督も女性で、女性監督としての全米売上を大きく塗り替え、通常のヒーローものの観客男女比(=6割男性)をひっくり返し、5割強を女性が占めるという結果に。「エンタメ映画を観るのは主に男性→女性主役は売れない(除くエロもの)→女優のギャラは相対的に低額」という旧来のマーケティングをベースに進んでいた映画業界の“常識”に憤懣やるせない思いをしていた女優達も、この結果に満足している様子。

主演のガル・ガドット(Gal Gadot)はオーディションを受けるときにワンダーウーマンというキャラクターをイマイチ知らなかったことを告白。それで受かるということはよっぽど役にピッタリだったということ?

Photo : Getty Images

内容的にもこの作品は最初の3日間で「ロッテントマト」の批評家・観客の両者から93%以上の支持を獲得するなど高評価。それだけでなく、内容的にもハリウッドの女性たちからも劇中の女性の描かれ方を含め支持され、ルピタ・ニョンゴはプレミア後「みんな走って観に行って! #PromotionFromTheHeart(心からの売り込み=仕込みじゃないよ)」とインスタグラムに長文を投稿。それを受けジェシカ・チャスティンは「女子のみんな! ルピタのインスタを読んで観に行って!」と投稿すると、アン・ハサウェイが「ジェシカの言うとおり! ハリウッドのみんなが自信をもって女性中心に映画を作っていいんだって思ってほしい」とリレー方式で私的SNSプロモーションを展開した。
 
日本公開は残念ながら8月25日(金)と、2か月強も先。公開も楽しみだけれど、兵役に就いた経験もあるイスラエル出身のガル・ガドットが“本物のアクション”と美貌を武器に、『ワンダーウーマン』で今後「もっとも稼ぐ俳優ランキング」にどう入り込んでくるかにも要注目。

Ok people, I just left the theater and KNOW for CERTAIN that the GODS have seen fit to BLESS us with #WONDERWOMAN. W.O.W. It is a superhero movie like none I have ever seen. Epic. FUN. Engaging. Stylistically Captivating. Funny in an honest, not-trying-too-hard way. Witty. Smart. Perfect length. Fierce. Sensual. Just amazing. @Gal_Gadot will glue you to the screen and at the same time make you want to run to the nearest costume shop to get your W on and join the #GODESSNESS right away (W = #WomanWarriorOfTheWorld). Director #PattyJenkins IS NOT PLAYING AROUND, as she gives us some AMAZON REALNESS in an exquisitely directed story. Chris Pine is irresistable. The score is KILLER. And it is the type of film that I think you can enjoy over and over. This movie definitely goes down as a classic in its genre for me. @wonderwomanfilm  #RunAndGoSeeIt #HadToGush #PromotionFromTheHeart.

Lupita Nyong'oさん(@lupitanyongo)がシェアした投稿 -

SHARE THIS ARTICLES

前の記事へニュース一覧へ次の記事へ

CONNECT WITH ELLE

エル・メール(無料)

メールアドレスを入力してください

ご登録ありがとうございました。

ELLE CLUB

ようこそゲストさん

ELLE CLUB

ようこそゲストさん
ログアウト