ニュース 2017/6/9(金)
cinema this week

オスカーもカンヌも受賞したサスペンス『セールスマン』ほか6月第二週のコレ観なきゃウィークエンド

毎週たくさんの新作映画が劇場公開されるなかで、私たちが本当に観るべきものって? 女性の知的好奇心を満たす、いま観るべき作品をエルが週替わりでセレクトし、ご紹介。今週はアカデミー賞外国語映画賞やカンヌ映画祭で脚本賞と男優賞を獲得したイラン映画『セールスマン』含む3本をピックアップ。

 

6月10日(土)公開 『セールスマン』

カンヌ国際映画祭では脚本賞と男優賞、さらにアカデミー賞外国語映画賞も受賞。そのアカデミー賞授賞式では、アスガー・ファルハディ監督と主演女優タラネ・アリドゥスティが、トランプ政権への抗議のため、出席をボイコットし、話題を呼んだ。教師のエマッドと妻のラナは小さな劇団に所属し、上演を控えていた。ところがある日、引っ越し先でエマッドが留守中、ラナが何者かに襲われてしまう。被害者なのにも関わらず、近所の評判や人々の噂は容赦ない。どうしても犯人を見つけたいエマッドと、早く事件を忘れたいラナの心の溝は深まる一方だった。全編に張りつめた緊張感と終盤の思いがけない展開に手に汗握る心理サスペンス。主人公たちの暮らしに急速に近代化が進むイランの現状が垣間見れる。
 
監督・脚本/アスガー・ファルハディ
キャスト/シャハブ・ホセイニ、タラネ・アリシュスティ、ババク・カリミ、ファリド・サッジャディホセイニ、ミナ・サダティほか
6月10日公開
http://www.thesalesman.jp/

 

6月9日(金)公開 『怪物はささやく』

余命わずかな母親と暮らす孤独な少年。彼のもとに怪物が現れたときから、彼に変化が訪れる。果たして、怪物は存在するのか。彼の妄想が作り上げたものなのか。そして、怪物が聞き出そうとする、彼がひた隠しにする本心とは……。大好きな母を失う恐怖に毎夜、悪夢にうなされる、まだ幼さが残る少年役は1000人を超えるオーディションで選ばれたルイス・マクドゥーガル。心優しい母はフェリシティ・ジョーンズ。厳格で口うるさい祖母はシガニー・ウィーバー。彼の心の支えとなるあやしい怪物の声はリーアム・ニーソン。英文学の最高傑作である世界的ベストセラーを『パンズ・ラビリンス』の製作陣が実写映画化したダーク・ファンタジー。原作にはないエンディングに思わず、涙が止まらない。
 
監督/J・A・バヨナ
キャスト/ルイス・マクドゥーガル、フェリシティ・ジョーンズ、シガニー・ウィーバー、トビー・ケベルほか
6月9日公開
http://gaga.ne.jp/kaibutsu/

 

6月10日(土)公開 『残像』

昨年、90歳で亡くなったアンジェイ・ワイダが死の直前に完成させた遺作。第二次大戦後のポーランドで、美術を教えながら、情熱的に創作に打ち込んでいた前衛画家ヴワディスワフ・ストゥシェミンスキ。しかし、芸術を政治に利用とする政府に屈しなかったため、彼は窮地に立たされる。カンディンスキーやシャガールらと交流を持ち、周囲から尊敬されていた人物が尊厳を失われ、表現のチャンスはおろか、食料にすら困窮する日々。やがて弾圧は彼の周囲の人々にまで及び始める。ポーランドの最も才能ある芸術家でありながら、社会主義国家により、人々の記憶から葬り去られた実在の画家、ヴワディスワフ・ストゥシェミンスキ。彼の晩年の4年間を通し、激動の時代が浮き彫りになる。
 
監督/アンジェイ・ワイダ
キャスト/ボグスワフ・リンダ、ゾフィア・ビフラチュ、ブロニスワバ・ザマホフスカ、クシシュトフ・ビチェンスキー、シモン・ボブロフスキほか
6月10日公開
http://zanzou-movie.com/

Text: Aki Takayama

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