8月17日（土）に公開されるや、初日2日間（全国）で25回の満席を記録し、東京・ヒューマントラストシネマ有楽町では初日動員＆興行収入記録を樹立、さらに8月21日（水）のレディースデーも全回満席という大ヒットを記録しているのが『タイピスト！』。
 
今年6月に開催されたフランス映画祭では、みごと最高賞となる観客賞を受賞。フランス公開時には、仏版『エル』誌面で「文句のつけようのない完成度の高い作品」と絶賛され、8月には「ELLE CAFÉ」六本木ヒルズ店にてコラボレーションメニューを販売するなど（※現在は終了）、エル・オンラインとしても大プッシュの本作『タイピスト！』。ストーリーの面白さとファッションのおしゃれ度合いが、昨今公開されている映画の中で、ずば抜けて高く評価されていることでも話題となっている。
 
舞台は50年代のフランス。当時、社会進出しつつあった女性たちにとって、憧れNo.1の職業といえば秘書。田舎から出てきたばかりのヒロイン・ローズは保険会社の秘書として採用されるも、ドジで不器用な性格が災いして1週間でクビ宣告を受けてしまう。しかし彼女の“タイプ早打ち”能力に注目した上司のルイは、ローズに世界大会出場を持ちかける。こうして二人三脚で猛トレーニングをスタートしたふたりは、パリでの全仏大会に挑むことに。
 
この『タイピスト！』が女子の心をつかんだ理由を、エル・オンラインでもおなじみの映画ライター、山縣みどりさんが大分析！

★ヒロイン像がチャーミング！
 
「女性の社会進出が可能になった時代になり、父親の言うなりに結婚するのではなく秘書として視野を広げたいというささやかな夢を実現させる芯の強さと、ピュアといってもいいくらいの天真爛漫さが共存するローズ。そんなヒロイン像は老若男女から共感されるはず」（山縣さん）

★キュートすぎる50年代ファッション
 
「『マッドメン』のヒット以降、欧米では50s'風ファッションが人気。ヴィンテージ・ショップには『マッドメン』コーナーもできているほどで、今は女性らしさを感じさせるフェミニンなスタイルが逆に新鮮なのかも。ローズが着こなすキュートなファッションは見る側を楽しい気分にさせてくれるし、マリリン・モンローやオードリー・ヘップバーンの名作にインスパイアされたというのも納得のおしゃれっぷり。『秘書って、そんなに給料いいのか？』という突っ込みもできちゃうけどね」（山縣さん）

★究極のハッピー感を味わえる！
 
「見ている間中、嫌な気分になることがない“フィ―ル・グッド・ムービー”。なんて言うと、『今までもあったじゃん』と反論されそう。でも、ローズがひとつひとつの難関を失敗しながらもガッツと恋力で乗り越えていく展開に、見ている側は応援したい気持ちでいっぱいに。エンディングのカタルシスに至るまでの盛り上げ方もお見事」（山縣さん）
 
この異例ともいえる大ヒットの秘密については、　「特別な才能もないと思われていた女の子が唯一の特技を見出され、努力とやる気で恋とサクセスを手に入れるという展開が、フツーの女の子に『私ももしかしたら？』なんて勇気を与えてくれるところ。『アメリ』と『ロッキー』を足して、ビリ―・ワイルダー風味を加えたテイストには映画通も満足するはず。また『アーティスト』でクラシック映画の魅力に目覚めた人もいて、50～60年代のスクリューボール・コメディ（今で言うロマンティック・コメディ）へのオマージュたっぷりなこの映画は、そういう大衆の“いい映画を見たい”欲を叶えてくれたのでは」と、山縣さん。
 
どこをとっても女子必見のエッセンスが満載の映画『タイピスト！』は、ヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷ほかで公開中。究極のハッピームービーをお見逃しなく！