ニュース ELLE PROMOTION2015/1/30(金)

ファッションを愛する誰もが共感! 映画『繕い裁つ人』で学ぶ、真のエフォートレスシック

『しあわせのパン』『ぶどうのなみだ』とこれまで食と人に目を向け、独特の世界観を築きあげてきた、三島有紀子監督の最新作『繕い裁つ人』。今回は、女性人気の高い渡辺葵の同名コミックを原作に、「衣」をテーマに挑み、ファッションとは何か、服とは何かを深く考えさせられる内容となり、ファッション業界でも話題に。EOLがその魅力を解剖!

(c)2015 池辺葵/講談社・「繕い裁つ人」製作委員会

神戸の住宅街にひっそりと立っている「南洋裁店」。店主の市江が手掛ける洋服は素晴らしい仕立ての一点もの。そのセンスとクオリティに魅かれたデパート店員の藤井は、ブランド化を進めるが、彼女は決して首を縦にふらない。祖母である先代の作った服の修繕とサイズ直し、そして祖母の作ったデザインを流用した少しだけの新作しか、彼女は作らないのだ。藤井は市江を説得しようとするが、彼女は顔が見えない人の服は作らない、消費されるだけの服は作りたくないの一点張り。藤井はそんな彼女に対して、「挑戦や変化を恐れているのではないか」と食い下がるが……。
  
髪をばっさりショートにし、ヒロイン・市江役に扮したのは中谷美紀。物腰はエレガントだが、実は一本、筋の通った職人気質の頑固な仕立て屋女性を凛とした佇まいで好演している。
  
彼女が大切にしている顧客たちには、毎年、サイズ直しをしてはスーツを着てめかし込み、パーティーを楽しみにしている老人や、初デートで着た服を死装束にしてもらおうとする中年女性、母の思い出のワンピースをリメイクしてもらいたい女子高生など、さまざまな人がいる。衣にまつわる彼らのドラマを通じ、果たして、本物のおしゃれってなんだろうと考えずにはいられない。大事にひとつのものを着続けることなのか。流行を求めることなのか。
  
世界で一着だけの一生ものを作りたい。それだけを目標に、余分なものは排除し、今日もミシンを踏み続ける市江。彼女のシンプルな生き方とその精神が宿ったファッションがそれを解く鍵となりそうだ。あらゆるファッションが氾濫する今の時代だからこそ立ち止まって考えたい、服との上手な付き合い方。そのヒントが隠された、余韻の残る一作となっている。

本作の衣装を手がけ、「あまちゃん」をはじめ、数多くの舞台や映画の衣装デザイナーとして活躍する伊藤佐智子さんは語る。「人生を楽しむのと同じように、おしゃれを楽しんでほしい。南洋裁店の服のように、時間とともに体になじんでくる自分だけの服というのを一着持ってみては」。これぞまさにELLEが目指す“エフォートレスシック”そのもの。ぜひ、この作品でそのスピリッツを体感して。

Text: Aki Takayama

  • 『繕い裁つ人』
    出演:中谷美紀/三浦貴大、片桐はいり、黒木華、杉咲花/中尾ミエ、伊武雅刀、余貴美子
    2015年1月31日(土)より、新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町他全国順次ロードショー
    http://tsukuroi.gaga.ne.jp/

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