ニュース 2014/8/7(木)
「EMPIRE-エンパイア」追っかけリポート 特別編

コラムニスト辛酸なめ子「愛と狂気のめくるめくショー」

初上陸にして大盛況の「EMPIRE-エンパイア」をコラムニスト辛酸なめ子が斬る! 至近距離に設けられたステージ、観客参加型のパフォーマンス、超人的な曲芸の数々……。心震える新時代のエンターテイメントショーをイラスト付きでリポート。

品川プリンスホテルのClub eXの会場に入ると、アッパーな音楽が流れるなか、おしゃれなパーティピープル(実は出演者)がうろつき、NYのスノッブなクラブに迷いこんだかのよう。自然とテンションが上がります。
 
ここに来るまでは、すごい身体能力を見せつけられるサーカス的な公演だと思っていたのです。でも、出演者が「シルク・ドゥ・ソレイユ ジャアリマセン!」と念を押していたように、始まってみると大人のサーカスというか想像以上に刺激的でHOTなショーでした。とにかく、NY、半端ないです。
 
最初、透明の球体に入ったキュートな女性が開脚したりエビ反りして体の柔らかさを披露。ここはまだソレイユ感があったのですが、続いて登場したふたりの男女(夫婦らしいです)が、お客の膝に座ったり、夫が男性客の足をなめ出したりしたところから様子がおかしくなってきました。妻が夫に「I LOVE YOUR キン○マ!」と言い放ったり、ギタリストを紹介するとき「クス○ダイスキ!」と危険なワード連発。中盤では、男性客をひとりステージに引っ張り上げて、股間をくぐったり、靴を脱いで臭いをかがせてみたり……。周囲の男性客は、自分じゃなくてよかった、と安堵の表情で見守っていました。
 
でも技のすごさは本物です。セクシーな女子三人が、人間タワーを作ってそこからジャンプしたり、エチオピアの兄弟が、兄の足の上で弟が高速回転する曲芸を見せたり、唯一の日本男児がフラフープを自在に操ったり、屈強なイケメンが木の枝の先で駒を回す繊細な芸を披露したり……。下ネタで気がゆるみ、曲芸で緊張と、テンションのギャップで飽きさせません。
 
それにしても目につくのは、実生活でも愛し合う男女(夫婦)の芸。ローラースケートを履いた美男美女が抱き合っていい感じになっていたのが、曲がハードに転調したとたん、ローラーを利用してすごい速さで彼女を振り回し出したのには、思わず叫びそうになりました。また、別の素敵なカップルも下着っぽい姿でイチャイチャしていたと思ったら、男性が女性をリフティングし、彼女がそこから回転して落ちるのをキャッチしたり、とにかく目が釘付けになるパフォーマンスの連続。見ていると男女の芸は、愛の表現というか、高度なプレイのようです。人に見られてドキドキするのと、生死をかけたスリルの相乗効果で興奮倍増。そう考えるとエロいです、そしてごちそうさまです。
 
でも、難易度の高い芸が次々と成功するのは、夫婦たちの愛でステージに結界が張られているおかげかもしれません。下ネタを含め、愛の素晴らしさを実感させられた90分でした。

Illustration & Text: Nameko Shinsan

MORE TOPICS

SHARE THIS ARTICLES

前の記事へニュース一覧へ次の記事へ

CONNECT WITH ELLE

エル・メール(無料)

メールアドレスを入力してください

ご登録ありがとうございました。

ELLE CLUB

ようこそゲストさん

ELLE CLUB

ようこそゲストさん
ログアウト