カンヌ授賞なるか!? 河瀨直美監督『光』ほか5月第4週のコレ観なきゃウィークエンド
毎週たくさんの新作映画が劇場公開されるなかで、私たちが本当に観るべきものって？ 女性の知的好奇心を満たす、いま観るべき作品をエルが週替わりでセレクトし、ご紹介。今週末は、現在開催中のカンヌ映画祭のコンペティション部門にノミネートされている河瀨直美監督最新作『光』ほか３作品をプッシュ！
5月27日（土）公開 『光』
映画の音声ガイドのボランティアをしている美佐子。彼女は弱視の天才カメラマンと出会い、彼の不愛想な態度に翻弄されるが、かつて彼が撮った夕日の写真に心、動かされずにはいられなかった。次第に視力が失われつつある彼の葛藤を目の当たりにし、やがて彼女のなかでも何かが変わり始める。『あん』が世界各国で評価された河瀨直美監督が再び、永瀬正敏と組んで、作り上げたラブストーリー。実際に写真家としても活躍する永瀬のために河瀨が書き上げた脚本を、永瀬が渾身の演技で応えている。同じく『あん』の樹木希林も美佐子が手掛けた音声ガイドのナレーションで参加。カンヌ映画祭のコンペティション部門にノミネートされており、パルムドール獲得の期待がかかっている。
監督・脚本／河瀬直美
キャスト／永瀬正敏、水崎綾女、神野三鈴、小市慢太郎、早織ほか
5月27日公開
http://hikari-movie.com/
5月27日（土）公開『ハロルドとリリアン ハリウッド・ラブストーリー』
絵コンテ作家のハロルドと映画リサーチャーのリリアン。ハリウッド全盛期の１９５０年代から２０００年まで６０年の間に彼らが携わった映画は数知れず。けれど、その名がクレジットされることはほとんどなかった。歴史に残る名作が名作たる所以は彼らにあったかもしれないのに。名だたる監督たちに信頼されてきた名職人であり、知る人ぞ知る存在だった二人のドキュメンタリー。駆け落ち同然でロスにやってきた、ハリウッド一のおしどり夫婦の秘話が傑作映画の数々とともに綴られていく。監督たちがひた隠しにしたがったハロルドの才能と彼はもちろん、映画界を影で支え続けた利発でチャーミングなリリアン。映画の歴史、夫婦の歴史、どちらも見ごたえ十分。
監督・脚本／ダニエル・レイム
キャスト／ハロルド・マイケルソン、リリアン・マイケルソン、メル・ブルックス、フランシス・フォード・コッポラ、ダニー・デビートほか
http://www.harold-lillian.com/
5月26日（金）公開『光をくれた人』
戦争で傷つき、孤島で灯台守として暮らし始めたトム。孤独な彼の心を快活なイザベルが癒し、二人は結婚。やがて、イザベルは妊娠するが、幸せな日々は続かず、彼女は何度も流産してしまう。そんな折、島に一艇の船がたどり着く。そこには男性の遺体と赤ちゃんが乗っていた。イザベルは赤ちゃんを自分の子供のように育て始めるが……。マイケル・ファスベンダーとアリシア・ヴィキャンデルといういま注目のカップルが愛に惑う夫婦を演じたラブストーリー。演技派の二人は人里離れた離島で共同生活を行ううち、撮影中、本当に恋に落ちてしまったのだとか。まぶしいばかりの美しさのアリシアを愛おしく見つめるマイケルの姿はなるほど、演技とは思えない。監督は『ブルー・バレンタイン』のデレク・シアンフランス。世界４０か国以上でベストセラーを記録しているオーストラリア人作家、M・L・ステッドマンの「海を照らす光」を自ら望んで映画化した。
監督／デレク・シアンフランス
キャスト／マイケル・ファスベンダー、アリシア・ヴィキャンデル、レイチェル・ワイズ、ブライアン・ブラウン、ジャック・トンプソンほか
http://hikariwokuretahito.com/
Text: Aki Takayama
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