インタビュー 2017/6/27(火)

役作りマスター鈴木亮平、次は宮沢賢治役でグルメを極める!?

「天皇の料理番」や『HK 変態仮面』、『俺物語!!』『精霊の守り人』などで見せたストイックな役作りに定評があり、「東京タラレバ娘」では優しい眼鏡男子を演じるなど、変幻自在な俳優として、多くの人の心をつかんでいる鈴木亮平。来年放送のNHK大河ドラマ「西郷どん」の主役にも抜擢され、今いちばん油が乗っている彼が、この度WOWOWの新ドラマ「連続ドラマW 宮沢賢治の食卓」でこれまた実在の人物を濃く熱く演じていて話題になっている。

-劇中の宮沢賢治は感動屋で熱血漢で、演じる鈴木亮平さんご自身に少し似ているのかな?と思いました。
 
賢治が子どもみたいな人なんですよ。なので、大人ぶらないで、はしゃぎながら楽しく演じるようにしていました。そうすると自然に動きもついてきて、美味しいものを食べるとぴょんぴょん飛び跳ねたりして。普段社会のなかで、大人は大人らしくいなきゃいけないことが多いなか、現場ではそれを取り払って少年でいられた気がします。
 
-そんな賢治の言動で驚かされたことは?
 
人のためにすぐウソをついちゃんうんですよ。で、すぐ裏目に出ちゃうっていう(笑)。まだ幼くて、自分の感受性とか人への思いやりというのをポジティブに変換できない。それを「書く」というかたちではけ口にしているんだけど、それも誰にも認めてもらえないんですよね。東京から実家の岩手・花巻に帰郷して、父親との確執もあるし、ずっと険しい顔してるんですけど、2話目からは天職となる教師となってどんどんイキイキしていくんですよ。でもそれと反比例して、妹の病状も悪くなっていくんですが……。
 
-今回は恋愛ドラマも描かれるそうですね。
 
見どころとしては、市川実日子さん演じるヤスさんとの恋愛。当時自由恋愛というものがやっと流行り出してきたころのピュアな恋愛なんです。僕と市川さんって、お互いに恋愛ドラマばかりをやってきたわけじゃないので、そこの不器用さも出てて、キラキラしてるだけじゃないかわいい恋愛が描かれていて、僕はとても好きですね。
 
-鈴木さんは今回の宮沢賢治さん含め、来年の大河の西郷隆盛など、ここのところ実在の人物を演じられることが多いかと思います。歴史上の人物を演じる際に特に気をつけていることはありますか? 
 
まずは、実際にその人がいたところには必ず足を運ぶようにしてます。いろいろ見て、その人の生い立ちだとか、その人の触れてきたものに触れていくことで、その人自身を理解……といったらおこがましいかもしれませんが、しようとするんです。そうすると、僕のなかでその役に愛着がわいてくる。自分のなかでその役の存在感が大きくなっていって、愛せるようになるんです。実在のその人が実際どうだったか、誰もわからないんですけど、その人を僕が心底愛して演じたら、どんな形であれ失礼にはあたらないと思うし、同じように愛しているファンの方が見たときに、受け入れてくれるんじゃないかな、って思うんです。今回の舞台の東北にももちろん行きました。
 
-今回のドラマは「食」がひとつのフックになっていますが、鈴木さんご自身の「食」のこだわりはありますか?
 
ないんですよね~(キッパリ)。僕、食にこだわりを持たない、っていうのがこだわりで(笑)。
 
-えっ! 食べるのお好きそうなイメージですが……。
 
そうですね、何でも食べますね、こだわりないから(笑)。一流のお店にいってもおいしいと思うし、大衆的なところにいっても美味しいと思うし。ただ、なるべく体にいいものをとろうとは思ってますね。からだが喜ぶものは食べたいな、っていうのは30代になって思うようになりました。
 
-ではグルメではないんでしょうか?
 
たまたまこの何年かは体型を変えなきゃいけない役が多かったので……。多分グルメな人はできないですね、これ。毎日同じものしか食べられないというときもあるし、そのとき食べたくないものを無理矢理つめこむときもあるし、筋肉つけたいというときもあるし、だからグルメじゃなくてよかったなと思っていて(笑)。美味しいものを美味しいと思う感覚は大事にしたいんですけど、あまりこだわりすぎて、上等なものしか口にできないっていう性質じゃないのは確かですね。
 
-でも、人付き合いもお好きそうな鈴木さん、みんなでワイワイと食事をとるときに、ひとりだけ違うメニューって辛くないですか?
 
自分だけ違う減量メニューを食べていたとしても、全くなんとも思わないです。そこは慣れてますから。いろんな国にいってるというのもあって、結構いろんな味付けにも対応できます。例えば塩分を制限していて味がすごく薄いものを食べなきゃいけないとき。アフリカの山奥にいったとき、そこの子どもたちは全く塩気もなし、味もしないトウモロコシの粉を練ったものを食べていた。それでもすくすく育っていたし、幸せそうに生きていた。あの食事に比べたらこれは塩気があるほうだ!って思うんです。もっといくと、あのアフリカのサバンナにいたライオンたちは肉をそのまま食べていた。味付けなんてしてなかった。もう、究極にいくとそういう感じになっていくんです(笑)。自然から学ぶことが多いですね。ダイエットもフィットネスも8割メンタルのトレーニングです。
 
-今回のドラマでの「食」いかがですか? 第一話のコロッケ、とてもおいしそうでした。
 
今回の「宮沢賢治の食卓」は、一部グルメものにはなっているんですけど、全部ものすごくシンプルな調理法のものしか出てこないんです。焼きリンゴとか、最終話になると「雪」とかになっていくんで(笑)。減量中にシンプルな素材に感動できる経験が身についているので、その経験が活かせていると思います。キャベツの味も本当に変わって、めちゃくちゃ甘くなりますよ!

Photo: Toshiki Hiraiwa

  • NEWS!
    インスタグラム限定特別企画の「語学男子」に鈴木亮平さんが満を持して登場! 東京外国語大学卒、英検1級を持つ“英語男子”は一体どんな英語のワードを選ぶのか? エル公式インスタをチェック!

  • 連続ドラマW「宮沢賢治の食卓」
     『銀河鉄道の夜』『雨ニモマケズ』などで知られる国民的作家、宮沢賢治。孤高の存在として語られる印象とは裏腹に、実はユーモアにあふれた好奇心の人だった――。若かりしころの天真爛漫な宮沢賢治の青春時代を、彼の愛した食やクラシック音楽を通して、家族や親しい人たちとの関わりを描いた感涙物語。WOWOWにて毎週土曜22:00より放送。全5話。7月12日(水)深夜1時より第1話〜4話まで一挙放送予定。http://www.wowow.co.jp/dramaw/kenji/

SHARE THIS ARTICLES

前の記事へインタビュー一覧へ次の記事へ

CONNECT WITH ELLE

エル・メール(無料)

メールアドレスを入力してください

ご登録ありがとうございました。

ELLE CLUB

ようこそゲストさん

ELLE CLUB

ようこそゲストさん
ログアウト