売上高“日本トップ”の女性社長が語る“女性がパワーを持つメリット”【前編】
ますます女性の知性とパワーがトレンドとなっている今、女性が社長である企業の中で売上高トップを誇る「日本トイザらス」のモニカ・メルツ社長にインタビューを敢行。アパレル業界からキャリアを始めたという彼女に、エル・オンラインがask! 女性がリーダーになるメリットについて聞いてみた。
―女性がリーダーになるために必要な資質は何ですか?
元から持っている資質として必要なことは、いくつかあると思います。人が好きであること、人と働くことを楽しめること、人を通して成し遂げることにセンスを持っていること。社長だからといって人がついてくるわけではないですから。
―日本でこれだけ管理職の女性が少ないのは、「女性は管理職向きではないのでは……」という恐れに原因があると思うのですが、管理職に女性が就くことによって、企業が得られるメリットはなんだと思いますか?
人口の半分は女性であるわけです。ならばその半分の人口を代表する女性のリーダーが半分いることで、その声を拾い上げられるというメリットはあるはずですよね。
女性は、多くの決定を人生の中で下しています。もちろん家庭の中でも。例えば、子どもの教育など。ですから、女性の考え方や見地を生かすことはできるはず。なので、たとえば化粧品や衣料の商品開発を女性のリーダーを入れずにやろうなんていうのは、私にはちょっと考えられないことです。もちろん、男性の意見も同時に取り入れることも大事です。だから、これはバランスの問題です。組織の中ではいろいろな意見を取り入れないと、組織として集団が成り立たないと思います。
―ジェンダーイクオーリティ(男女の平等性)は、「日本トイザらス」にとって大事ですか? 大事だとしたらそのためにどんな努力をしてらっしゃいますか?
それでは、まず私が「日本トイザらス」の社長になる前に、「トイザラス カナダ」の社長として働き始めた時代の経験から始めさせてください。
社員の中で子どもが生まれた女性が出てきました。フレックスタイム制でなければ難しいということだったので、彼女らが働き続けられるように短時間勤務を認めたり、制度を整えたりしました。昇進についても、男性だから女性だからということは関係なく、彼女彼らの貢献度に基づいて、上げるといった方向に人事制度を変えていきました。
その中で起きた、3つの異なる例を挙げましょう。
→「トイザラス カナダ」での女性の活かし方は次ページで
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モニカ・メルツ(日本トイザらス CEO)
【生年月日】1949年5月13日 カナダ出身
【略歴】
1971年 「タウン・アンド・カントリー・レディース・リテーラー」入社
1981年 「ハドソン・ベイ・カンパニー」入社
1992年 「プライス/コストコ」入社
1994年 「コンシューマーズ・ディストリビューティング」の宝飾品部門バイス・プレジデントに
1997年 「トイザらス・カナダ・リミテッド」入社
2001年 「トイザらス・カナダ・リミテッド」プレジデント兼マネージング・ディレクターに
2008年 「日本トイザらス株式会社」最高経営責任者(CEO)に
2012年 「日本トイザらス株式会社」CEO兼「トイザらス・アジア・パシフィック」社長に就任