『レ・ミゼラブル』の大役を担ったアン・ハサウェイがたどり着いた幸せの“境地”
都内ホテルにて行われたインタビュー。会場には共演者ヒュー・ジャックマン、アマンダ・セイフライドらも登場。「おひさしぶり!」とあいさつする朗らかなアン・ハサウェイは、以前とは違うなにか柔らかなオーラであふれていた。結婚もしたばかり、大役も演じきり幸せいっぱいの彼女が語った、金字塔『レ・ミゼラブル』での経験と、そこで手に入れた「幸せ」とは? 彼女のキュートな会話が始まった。
幸せじゃダメ!
――髪を切るのと同時に、かなり痩せましたね。歌のトレーニングとダイエット(約-10kg)を同時にやったのは辛かった?
歌うこと、『レミゼ』を演じることはたくさんの体力を必要とすること。かなり限られた食生活と、でも自分に合った食生活を必要とした。2週間で体重を落としたのよ。そのおかげで違う境地に行けたわ。物事が難しいとか不可能とか考えなくなった。今振り返ると辛かったし大変だったけど、その瞬間その瞬間は「これが、今の私に必要なもの」としか感じなかったわ。
――その過程は急激に痩せていくわけでしょう? 家族は心配しなかった?
最初のほうは夫もついていてくれるはずだったわ。彼も仕事があるから全部ってわけではないけれど。急激に痩せなければいけない時期、髪を切るまでの辛いシーンを撮るまでの3週間、撮影旅行に同行してもらうスケジュールを立てたの。ダイエット始めて3日間は一緒だったわ。でも、気づいたのが「彼がいたらできない!」ってこと。あまりにも幸せな気分になって、愛されているという気持ちにさせられたので、それではファンテーヌは演じられないって……。だから、そのあとは、そばにいたのは撮影にかかわってくれる人たちだけ。彼らは、プロフェッショナルとして接してくれたから、あまり考えずに済んだわ。一番求めたのは、考えたり語ったりする必要がないってこと。ただ、そういう“存在”になりたかったの、ファンテーヌという。
でも、家に戻ったときは家族も夫もとっても心配していたわ。終わったことにホッとしたわ。だって、サンドイッチが食べられるんだもの!(笑)
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1985年の初演以来27年に渡って世界中で上演されてきたロングラン・ミュージカル。
ヴィクトル・ユゴーの金字塔を原作に持ち、「無償の愛」「贖罪と救い」「真実の愛」など普遍的テーマを感動的なメロディーと詞で表現したのが、アラン・ブーブリル、クロード=ミシェル・シェーンベルグたち才能の結集!
キャストも米英豪など、あの『英国王のスピーチ』でアカデミー賞を受賞したトム・フーパー監督の下、世界中からトップの実力者たちが集まりミュージカル映画史上最高の作品になるのではと評されているこの傑作は、さすがに映画館でないと見逃したも同然。死にゆくファンテーヌを演じるため、アン・ハサウェイが髪も実際に切り落とし、顔に筋が浮かび上がるまで痩せた姿も見逃すべからず。
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