特集
2016/05/21(土)

もしかして、自分も予備軍かも? 「スーパーウーマン症候群」を考える

キャリアもプライベートも完璧を目指してしまうあまり、心身が悲鳴を上げてしまう「スーパーウーマン症候群」。UK版エルの副編集長、ロッテ・ジェフスが読者へ発信したメッセージを読んで、自分も当てはまってそう、と思ったら要注意だ。たまにはアクセルから足を離してブレーキを踏んでみる、そんな生き方も大切かも。UK版より転載。

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アラサーのほとんどが“超人になる”というプレッシャーに冒されている

奇妙に聞こえるかもしれないが、ここ2年程、私は他の人に比べてきっかり11分だけ進めたタイムゾーンのなかで生活している。
私の腕時計、アラーム、iPhone、全てがこれに対応している。私は一日をほかの人より早めにスタートさせることで、仕事に出かける前から、勝ち誇った気分を味わっている。これは私が自分のことを"超人的"だと感じるために実行している沢山の努力のうちのひとつだ。
 
毎日、私のアラームは私を6時11分の"ロッテ標準時"に起こす。それは他の人々にとっては6時だ。リビングで30分エクササイズをするか、外でランニングをしたあと、2品の朝食をこしらえる。それはフィットネス系のブロガーがインスタグラムで紹介しているような、フルーツサラダと、アボカドをのせたトーストもしくはチアシードのポリッジといったメニューだ。
 
それを食べながら、私は新聞を読んで、ラジオ4を聞く。それからファッションを理解しつつ、やりすぎじゃない服装を選ぶ。通勤時間中は女性たちの討論を収録したポッドキャストを聞く。仕事の場面では一日を通して人々に親切で、有能な人間たるよう努めて過ごす。夜は友達と会ったり、母親をディナーに誘う。小さなグラスで2杯ほど赤ワインもたしなむけど、デザートはスキップして、11時半にはベッドに入る。
 
さて、ここまで読んで、私のことをうぬぼれ屋とか、単にしゃくにさわる、とか言いたくなる気持ちも分かるが、まずはあなた自身の生活を振り返って、あなたが毎日やっている「良いこと」について思い返して欲しい。
 
心理学者のエレイン・スレーター氏は、ファッション業界で「スーパー・ウーマン症候群」に罹ってそうな向上心に燃えた若い女性によく出くわすという。「彼女たちが自分に問いかけている大問題が、『私は今のままで十分かしら?』というものです」
 
おしゃれで、賢く、健康的で、ガリガリではないが細身で、意地悪ではないが面白くて、友人やパートナー、家族に対して協力的な人間にならなければ、というプレッシャーを感じているのは私だけではないのだ。つまり我々の多くが仕事で成功して好かれたいし、ジェレミー・コービンやテート・モダンの新しいショー、最近の村上春樹の小説、ひいては『Xファクター』の勝者、ケンダル・ジェンナーの新しいヘアスタイルにまで自分なりの意見を持っていたいと思っている。アラサーの友人や同僚たちの多くがこの"超人になる"というプレッシャーに冒されている。

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Translation & Text: Naoko Ogata

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