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※イメージ写真 photo : plainpicture/AFLO

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「気づいていない扉を開いてみよう」

『完全なる飼育』

SMちっくなことに興味のある文化系女子がみんな好きなのが、『完全なる飼育』。中年男が巨乳の女子高生を監禁するだけの話なんですけど、おっぱいが大きくて初々しかった小島聖さんと、脂ぎった中年男の竹中直人さんが、本当にいやらしいんですよ。でもそのなかで愛が芽生えてくるんだよね。吊り橋効果っていうか、悪い人との間に愛が芽生えてしまうっていう。エロネタとしては中年男の夢として作られたと思うんだけど、女性のファンタジーとしてもあると思うよ。竹中直人さんが好きかどうかは別として、かっこいいおじさんにペットのように飼われたい、うぶな処女のころに戻って男の欲望の対象にされたいっていうね。
 
大人の女性になって責任ある立場で働いていたり、結婚して旦那さんと幸せにやってたりすると、そういうものを捨てたくなるというか、「人生をむちゃくちゃにしたい」気持ちって、男も女もあると思うんです。ちゃんとやってる人ほどそれが顕著で、男だと性犯罪に走ったり女だと不倫に走ったり。官能ってそういうものじゃないですか、ヤバいものなんですよね。それで映画とかAVとかマスターベーションとか危険がないほうに逃がしながら、人生をどう生きていくかっていうことだと思うんだけど。
 
エル・オンライン世代の女性って、職場でもプライベートでも“いい女”であることを求められると思うんですよ。って考えると、素敵な大人のいい女が若い男性をかわいがるっていうのは、逆に男の側から求められてしまうことであって。女性の側がもっている欲望って、自分がかわいがられたいっていう気持ちなんじゃないかな。だから、いちど目隠しされて首輪されてかわいがられてみたらいいんじゃないですか(笑)、信頼できる男性にね。あとは『チャタレイ夫人の恋人』みたいに、自分より身分の低い男にツンとしてる自分が乱暴に犯されたいっていう願望をもってる人もいるよね。現実になったらいやだけど、ファンタジーの中ではやられたいっていう。

  • 『完全なる飼育』
    1999年
    監督/和田勉
    出演/竹中直人、小島聖

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  • 二村ヒトシ/アダルトビデオ監督。1964年・六本木生まれ。慶應大学文学部中退。1997年にAV監督デビュー。痴女もの、レズビアンものを中心に独創的な演出のアダルトビデオ作品を数多く手掛けるかたわら、「すべてはモテるためである」(イースト・プレス)、「恋とセックスで幸せになる秘密」(イースト・プレス)などの著書で、恋愛やモテについて鋭く分析。女性とセックスを知り尽くした見識に定評がある。
    http://nimurahitoshi.net/

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