2014年エミー賞は俳優賞が豪華。というのも近年クオリティがますます高くなっているテレビドラマに、映画俳優たちがこぞって出演する傾向がさらに強まったから。

デビッド・フィンチャーが製作し、日本でもレンタル店で常にDVDが枯渇状態と言われる「ハウス・オブ・カード」のケヴィン・スペイシーとロビン・ライトも揃ってノミネート。特に、ゴールデングローブ賞を獲得したロビン・ライトが演じる、背筋も凍るほど冷徹かつ優秀な政治家の妻クレアは当たり役。エミー賞も獲得なるか注目できそう。

また、日本でも地上波で放送されたばかりの「ダウントン・アビー」のミシェル・ドッカリーとマギー・スミスも揃ってノミネート。ミニシリーズ／テレビ映画部門では「SHERLOCK／シャーロック」ペアのカンバーバッチ＆フリーマンが揃って主演男優賞候補に。マーティン・フリーマンも主演？　と一瞬戸惑うものの、彼は「SHERLOCK／シャーロック」ではなく、コーエン兄弟が制作した名作映画『ファーゴ』のリブート版でのノミニー。ホームズが勝つか、ワトソン君が勝つか見もの。

このように、日本の海外ドラマファンにはおなじみの作品が並ぶものの、最注目は話題の映画俳優が顔を揃えた新作。今年のアカデミー賞を受賞したマシュー・マコノヒーは、テレビドラマ「True Detective」で主演。この作品はダーク＆濃厚なクリミナルサスペンスで、同じく映画スターのウディ・ハレルソンやミシェル・モナハンと共演し、豪華な作品に仕上がっているもよう。そして、80年代のエイズ流行により混乱する時期に奮闘したセクシュアルマイノリティや医療関係者の葛藤を描いた「The Normal Heart（原題）」は、ジュリア・ロバーツを筆頭に、アルフレッド・モリーナ、マーク・ラファロ、テイラー・キッチュ、そしてテレビ界から映画界に進出した『マジック・マイク』の超イケメン、マット・ボマーなどハリウッドスターがずらりと顔を揃え、もはや“テレビ映画”とくくるのも違和感が出てくるほどの豪華さ。テレビ映画部門を総なめにしそうなこの作品が、果たして日本では映画として公開されるのか、テレビで公開されるのか、今からドキドキ。
 
授賞式は現地時間8月25日（月）。「エル・オンライン」の海外ドラマDVD特集と、『エル・ジャポン』8月号の海外ドラマ特集を片手に、年々顔ぶれが華やかになっているレッドカーペットを今から楽しみにして！

主なノミネートは以下のとおり

●作品賞ドラマ部門
「ブレイキング・バッド」
「ダウントン・アビー～貴族とメイドと相続人～」
「ゲーム・オブ・スローンズ」
「ハウス・オブ・カード 野望の階段」
「MAD MEN マッドメン」
「True Detective（原題）」

●作品賞コメディー部門
「ビッグバン☆セオリー ギークなボクらの恋愛法則」
「Louie（原題）」
「モダン・ファミリー」
「Orange is the New Black（原題）」
「Silicon Valley（原題）」
「Veep（原題）」

●主演女優賞ドラマ部門
リジー・キャプラン「Masters of Sex（原題）」
クレア・デーンズ 「HOMELAND／ホームランド」
ミシェル・ドッカリー 「ダウントン・アビー～貴族とメイドと相続人～」
ジュリアナ・マルグリーズ「グッド・ワイフ」
ケリー・ワシントン 「スキャンダル 託された秘密」
ロビン・ライト 「ハウス・オブ・カード 野望の階段」

●主演男優賞ドラマ部門
ブライアン・クランストン「ブレイキング・バッド」
ジェフ・ダニエルズ 「ニュースルーム」
ジョン・ハム「MAD MEN マッドメン」
ウディ・ハレルソン「True Detective（原題）」
マシュー・マコノヒー「True Detective（原題）」
ケヴィン・スペイシー「ハウス・オブ・カード 野望の階段」

●主演男優賞ミニシリーズ／テレビ映画部門
ベネディクト・カンバーバッチ 「SHERLOCK／シャーロック シーズン3 最後の誓い」
キウェテル・イジョフォー 「Dancing on the Edge（原題）」
マーティン・フリーマン 「Fargo（原題）」
ビリー・ボブ・ソーントン「Fargo（原題）」
イドリス・エルバ「刑事ジョン・ルーサー」
マーク・ラファロ「The Normal Heart（原題）」

●助演女優賞ドラマ部門
アンナ・ガン「ブレイキング・バッド」
マギー・スミス「ダウントン・アビー～貴族とメイドと相続人～」
ジョアンヌ・フローガット 「ダウントン・アビー～貴族とメイドと相続人～」
レナ・ハーディ「ゲーム・オブ・スローンズ」
クリスティーン・バランスキー「グッド・ワイフ」
クリスティーナ・ヘンドリックス「MAD MEN マッドメン」

●助演男優賞ドラマ部門
アーロン・ポール「ブレイキング・バッド」
ジム・カーター「ダウントン・アビー～貴族とメイドと相続人～」
ピーター・ディンクレイジ「ゲーム・オブ・スローンズ」
ジョシュ・チャールズ「グッド・ワイフ」
マンディ・パティンキン「HOMELAND／ホームランド」
ジョン・ヴォイト「レイ・ドノヴァン ザ・フィクサー」

●助演男優賞コメディ部門
アンドレ・ブラウアー「Brooklyn Nine-Nine（原題）」
アダム・ドライバー「GIRLS」
ジェシー・タイラー・ファーガソン 「モダン・ファミリー」
タイ・バーレル「モダン・ファミリー」
フレッド・アーミセン「Portlandia（原題）」

●助演女優賞コメディ部門
メイム・ビアリク「ビッグバン★セオリー ギークなボクらの恋愛法則」
ジュリー・ボーウェン「モダン・ファミリー」
アリソン・ジャネイ 「Mom（原題）」
ケイト・マルグルー「Orange is the New Black（原題）」
ケイト・マッキノン「サタデー・ナイト・ライブ」
アンナ・クラムスキー「Veep（原題）」

●助演女優賞ミニシリーズ／テレビ映画部門
フランセス・コンロイ「アメリカン・ホラー・ストーリー：魔女団」
キャシー・ベイツ「アメリカン・ホラー・ストーリー：魔女団」
アンジェラ・バセット「アメリカン・ホラー・ストーリー：魔女団」
アリソン・トールマン「Fargo（原題）」
エレン・バースティン「Flowers in the Attic（原題）」
ジュリア・ロバーツ「The Normal Heart（原題）」

●助演男優賞ミニシリーズ／テレビ映画部門
コリン・ハンクス「Fargo（原題）」
ジム・パーソンズ「The Normal Heart（原題）」
ジョー・マンテロ「The Normal Heart（原題）」
アルフレッド・モリーナ「The Normal Heart（原題）」
マット・ボマー「The Normal Heart（原題）」
マーティン・フリーマン 「シャーロック／SHERLOCK 最後の誓い」

●ゲスト男優賞ドラマ部門
ポール・ジアマッティ「ダウントン・アビー～貴族とメイドと相続人～」
ディラン・ベイカー「グッド・ワイフ」
レグ・E・キャシー 「ハウス・オブ・カード 野望の階段」
ロバート・モース「マッドメン」
ボー・ブリッジス「Masters of Sex（原題）」
ジョー・モートン「スキャンダル 託された秘密」

●ゲスト女優賞ドラマ部門
マーゴ・マーティンディイル「The Americans（原題）」
ダイアナ・リグ「ゲーム・オブ・スローンズ」
ケイト・マーラ「ハウス・オブ・カード 野望の階段」
アリソン・ジャニー 「Masters of Sex（原題）」
ジェーン・フォンダ「ニュースルーム」
ケイト・バートン「スキャンダル 託された秘密」

●ゲスト女優賞コメディ部門
ナターシャ・リオン 「Orange is the New Black（原題）」
ウゾ・アブダ「Orange is the New Black（原題）」
ラヴァーン・コックス「Orange is the New Black（原題）」
ティナ・フェイ「サタデー・ナイト・ライブ」
メリッサ・マッカーシー「サタデー・ナイト・ライブ」
ジョーン・キューザック「シェイムレス 俺たちに恥はない」

●ゲスト男優賞コメディ部門
ボブ・ニューハート「ビッグバン☆セオリー ギークなボクらの恋愛法則」
ネイサン・レイン「モダン・ファミリー」
スティーヴ・ブシェミ「Portlandia（原題）」
ジミー・ファロン「サタデー・ナイト・ライブ」
ルイスC.K.「サタデー・ナイト・ライブ」
ゲイリー・コール 「Veep（原題）」

●作品賞リアリティ／コンペティション部門
「アメージング・レース」
「ダンシング・ウィズ・ザ・スターズ」
「プロジェクト・ランウェイ / NYデザイナーズバトル」
「アメリカン・ダンスアイドル」
「トップ・シェフ」
「ザ・ヴォイス」

●作品賞バラエティ部門
「コルベア・リポート」
「ザ・デイリー・ショー」
「ジミー・キンメル・ライブ！」
「Real Time with Bill Maher（原題）」
「サタデー・ナイト・ライブ」
「The Tonight Show starring Jimmy Fallon(原題）」

●作品賞ミニシリーズ部門
「アメリカン・ホラー・ストーリー：魔女団」
「ボニー＆クライド」
「Fargo（原題）」
「刑事ジョン・ルーサー」
「Treme（原題）」
「白薔薇の女王 The White Queen」

●作品賞テレビ映画部門
「Killing Kennedy（原題）」
「Muhammad Ali’s Greatest Fight（原題）」
「The Normal Heart（原題）」
「SHERLOCK／シャーロック シーズン3 最後の誓い」
「バウンティフルへの旅」