今をときめく俳優陣が競演！

『アメリカン・ハッスル』

作品賞のもうひとつの候補『アメリカン・ハッスル』は、1970年代のアブスキャム事件を基にしたFBIと捜査に協力した天才詐欺師たちのコンゲーム的ドラマ。ゴールデン・グローブ賞では作品賞ほか数々の批評家賞も受賞し、今最も勢いのある作品だ。
 
1970年代、FBI捜査官ディマーソは、逮捕した詐欺師のローゼンフェルドと取引し、彼の協力の元におとり捜査によって汚職政治家たちを逮捕しようと企てる……。転がるようなストーリーテリングも秀逸だが、見どころは、やはり今をときめく若手演技派たちの競演。ローゼンフェルド役のクリスチャン・ベイルは大幅増量し、でっぷりと太ったお腹にバーコードハゲのおやじっぷりで驚愕させるし、イケメン、ブラッドレイ・クーパーは、ちょっと滑稽なラテン系FBI捜査官を演じる。
 
極め付けは、女優陣。ローゼンフェルドの口やかましい妻を演じる『世界でひとつのプレイブック』で昨年主演女優賞を受賞しているジェニファー・ローレンスと彼の愛人役のエイミー・アダムス。ふたりのビッチ合戦は、アクションシーンよりもずっと恐ろしい大迫力だ。
 
また、70年代が舞台なだけあり、衣装デザイン賞候補にもなっているマイケル・ウィルキンソンが手掛けたファッションも見どころのひとつ。「グッチ」「ホルストン」などのブランドも協力しているが、オスカーナイトのレッドカーペットでのファッションにも期待したい。