セレブコラム 2013/10/25(金)
立田敦子のセレブBUZZ/『マイ・マザー』『母の身終い』

“親子の絆”をじっくり考えたくなる映画2本

映画界でいま最もホットなテーマといえば、“親子の絆”。『わたしはロランス』の新鋭グザヴィエ・ドラン監督が19歳のときに完成させたデビュー作『マイ・マザー』、年老いた母と息子の関係性を描いた『母の身終い』と、母×息子の絆にフォーカスした2本が公開。家族の絆についてじっくり考えたくなる2本をお見逃しなく!

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(C)2009 MIFILIFILMS INC

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愛しているのに行き違ってしまうジレンマ

今年のカンヌ国際映画祭で審査員特別賞を受賞した是枝裕和監督の『そして父になる』がヒット中だけれど、家族の絆は、今日の映画界の最もホットなテーマでもある。特に、この秋は、母と息子の関係に着目した注目作が2本公開される。
 
1本は、第3作目の『わたしはロランス』が日本で公開中のカナダの気鋭監督グザヴィエ・ドランのデビュー作『マイ・マザー』。これは子役として6歳から活動していたドランが高校生のときに書いた短編を元に自ら脚色、監督・主演した作品だ。映画完成当時19歳だったドランだが、この作品がカンヌ国際映画祭の「監督週間」で上映されるや否や、瞬く間に最も将来を嘱望される新人監督として映画界の脚光を浴びるようになった。
 
自伝的要素もある『マイ・マザー』は、ケベック州の小さな町に住む17歳のユベールとその母の愛憎関係を描いたもの。早熟で洗練されたユベールは、ものの食べ方から服の趣味まで、母親の言動がことごとく気に入らない。毎日のように口論してしまうことに、自分でもうんざりしている。一人暮らしを提案しても、「まだ、早すぎる」と却下されてしまう。やがて、反抗的な息子を手に負えないと判断した母親は、ユベールを寄宿学校に転校させることに……。
 
幼い頃は、とても上手くいっていたふたりなのに、なぜ、こんなにも行き違うのか。愛しているけれど、一緒にいると上手くいかないジレンマ。そんなどこにでもありそうな母と息子の関係を、息子の視点から描いているところが新鮮だ。ユベールを演じているのはドラン監督自身だが、その美貌や瑞々しい演技にも注目したい。

  • 『マイ・マザー』
    監督・脚本・出演/グザヴィエ・ドラン
    配給/ピクチャーズデプト
    公式サイト/www.ikilledmymother.net
    2013年11月9日(土)~、 渋谷アップリンクほか全国順次ロードショー

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text : Atsuko Tatsuta

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