酸いも甘いも噛み分けた、大人のためのラブコメディ
恋に恋する乙女ではなく、酸いも甘いも噛み分けた大人だからこそ楽しめる珠玉のラブコメ2本が現在公開中。キャメロン・ディアスの“現役”ロマコメ女王ぶりを堪能できる『モネ・ゲーム』と、心温まる大人の物語『愛さえあれば』。あなたならどちらを観に行く?
大人の女性に訪れる新たな恋
ちょっとしんみりさせる大人のロマコメといえば、『愛さえあれば』。『未来を生きる君たちへ』でアカデミー賞外国語映画賞を受賞したデンマークの女性監督スサンネ・ビアの最新作だ。
乳がんの治療を終えた中年女性イーダ(トリーネ・ディアホルム)は、夫が若い女性と浮気している現場を目撃してしまう。夫は悪びれもせずにそのまま出て行ってしまった。傷心もつかの間、翌週に行われる予定の娘アストリッドの結婚式に出席するため新郎の父親がもつ南イタリアのソレントの別荘へやってきた。行きの飛行機で一緒になった成功したビジネスマンは、果たして新郎の父親(ピアース・ブロスナン)だった。やがて、夫も若い愛人を伴って現れる……。
レモンが実る南イタリアの海辺の別荘での人間模様。ひとつひとつのテーマは深刻だけれど、それを笑いに変えてくれるのは、ユーモアとイタリアの太陽。恋に恋する乙女でなく、酸いも甘いも噛み分けた大人の女性だからこそ訪れる、新たな恋の始まりには、なんだか心が温かくなる。そう、ロマンスとは、青春の賜物ではないのです!
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『愛さえあれば』
監督/スサンネ・ビア
出演/ピアース・ブロスナン、トリーネ・ディアホルム
配給/ロングライド
公式サイト/http://www.aisaeareba.jp/
2013年5月17日(金)~、TOHO シネマズ シャンテ、新宿武蔵野館ほか全国公開中
text : Atsuko Tatsuta