巨匠アルモドバルが太鼓判を押す才能

もう1本は、南米アルゼンチン発のブラックコメディ『人生スイッチ』。
 
生きていると普通に生活していても、「なんでこんな理不尽な目に遭わなければいけないの？」と思うような出来事に出くわすものだけれど、この物語は、ふとした出来事で“スイッチ”が入ってしまった人たちのワイルドなストーリーを描いた作品。6つのオムニバス形式になっていて、どれも“あるある”なのだが、それにしてもどの物語も南米の熱い血が流れていて、濃厚。
 
こちらはスカッとするというよりも、ときには背筋がゾッとすることもあると思うので、ホラーと同様、怖いもの見たさで観に行くと、納涼にちょうどいいかもしれません。
 
ちなみにこの作品、ブラックコメディとはいえ、カンヌ映画祭のコンペティション部門で上映され、アカデミー賞外国語映画賞のアルゼンチン代表となっている傑作。監督は脚本も手がけているアルゼンチンの気鋭ダミアン・ジフロン。スペインの巨匠ペドロ・アルモドバルがその才能を見いだし、プロデュースを担当しているだけあり、なかなかの逸材です。この名前もお忘れなく！