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植物と対話し、通じ合うことの意義

北アフリカを代表する植物学者であるベルカメル博士は、モロッコのナチュラルコスメブランド「ネクタローム」の研究開発も行っている。「コスメ作りは上質な精油をとること、それに尽きます。4月になり、最初に花開くのはビターオレンジ(=ネロリ)。フレッシュなうちに、そしてパワーにあふれたベストな頃合いを見計らって収穫します。2.5トンの花から採れる精油の量は1リットルです。5月になるとダマスクローズ。これはさらに希少で、1リットルの精油を採るために花びら5トンが必要。30本のバラからやっと1滴、という計算になりますね。1リットルあたり、8000ユーロの値がつきます。ハーブには多くの種類があり、葉や茎から抽出するもの、根を使うものとさまざまですが、原料100キロから精油1リットルを産出する、というのが平均的です」。その製造過程では、質の高い精油を抽出するためのあらゆる工夫がなされている。
ネクラロームが運営するマラケシュ郊外の施設「ウーリカ・ビオアロマ庭園」では、ラボや工場があるだけでなく、観光ハーブ園も併設し、植物に興味をもつビジターを受け入れている。「ここは、人々に五感を開いてもらうために解放しています。植物の姿を見て、臭いで、触れて、味わって、そして声なき声を聞いて。そうすることで人間の感覚は開いて研ぎ澄まされ、植物と理解し合えるようになります。私たちは注ぎうる限りのあらゆる愛情をもって製品を作っていますが、そのことも、植物との対話のひとつです」

  • [植物と五感でコミュニケーションできる場所]
     
    訪れるなら予約するのがベター。庭園を見ながらのんびり足湯に浸かるのもおすすめ。

    Le Jardin Bio-aromatique d'Ourika ウーリカ・ビオアロマ庭園

    Lot Pinatel B.P 142 Tnine Ourika Haouz
    tel. +212 (0) 5 24 48 21 49 

    公開時間/9:00~17:00(夏季は~18:00) 無休

    入場料/15DH(ガイド付き 60DH)
    英語OK

    http://www.nectarome.com/

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photo: Hiro Itsushima  coodination & interpreter : Shoko Okamoto, Chiyo Sagae 
special thanks: Rose de Marrakech

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