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奇跡のオイル、アルガンは、こうして生まれる【1】

今も昔もアルガンの貴重なオイルを作るのは、土地の女性たち。以前は各家庭で作っていたオイルを家庭料理に、家族の肌の常備薬に、また日々の髪と素肌のお手入れに使ってきたという、まさに「女性のためのオイル」。アルガンオイルの価値が世界的に急上昇した現在も、それは変わらない。イスラムの教えを中心とするモロッコ社会での女性の社会参加は難しく、特に未亡人や離婚後の女性たちが職を得るのは至難の業。こうした社会状況を背景に、現代のアルガンオイルの生産も、地域の女性たちが集まる200あまりの小さなアソシエーションで共同作業で行われている。そのひとつ「アルガン・アッサイス・ウーゼカ」でオイル作りを見学した。
 
1. アルガンの実から、石を片手にたたいて果肉を外す。するりと果肉が剥け、中心部分にある固い殻に覆われた種が顔を出す。滋養たっぷりの果肉は、家畜(ヤギも!)の餌に。
  
2. 次は殻割り。一つ一つ石を使って、リズミカルに種の外側の殻を割る。すると中から、みずみずしく柔らかな「仁」が現れる。アーモンド型をした仁、これがまさにアルガンオイルの原料となる。殻は、料理のための火を焚く燃料として使用。タジンやクスクスのスープなど、とろ火の火加減に最適だとか。
  
3. 食用オイルにする場合は、この仁を20分~30分焙煎し、その間に仁の周りの薄皮を除去。とろ火で、ゆっくり混ぜながら焙煎することで、アルガンの実に香ばしい香りを施し、それはそのまま食用オイルの豊かな風味に。

  • [アルガンオイル作りを公開している工房]

    Assaisse Ouzeka アッサイス・ウーゼカ

    Sidi Ashmed Km 22 Route Essaouira-Agadir
    tel. +212 (0) 6 61 25 79 67
    公開時間/8:30~12:00、14:00~18:30 無休
    英語OK
    http://www.argan-assaiss-essaouira.com/

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photo: Hiro Itsushima   text: Chiyo Sagae    coordination: Shoko Okamoto  

special thanks: Rose de Marrakech

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