自然派ワイン店の先駆者として知られ、東京にも支店がある人気ビストロ「Le Verre Vole」。その魚介専門店が去年の10月、ビストロと同じ通りにオープンした。「すべての魚介類は、”小さな船”で捕られたものです」メニューの冒頭に書かれたこの一文からも伺えるが、素材に対するこだわりを隠さない。 「新鮮な魚介類をリーズナブルな料金で食べられるお店をつくりたかった」と話すオーナーのトマさん。メニューは、その日仕入れた季節の魚によって、毎日変わる。ブルターニュ産のボラのセビーチェ仕立てや、シシリアオレンジとバターのソースを合わせた帆手貝、柚子胡椒のソースを合わせたベリル島産のカメノテなど、ひと工夫ある料理が楽しめる。 西洋と東洋がミックスしたその独特なセンスは癖になる味。平日の夜と土日は魚料理のビストロで、ワインも他の店舗と同様、充実の品揃え。一方、平日の昼は、オーガニックでヘルシーなお弁当で定評のある、日本人シェフまおりさんがつくる魚弁当（13～14ユーロ)を供する。サン・マルタン運河に近く、オフィスも多い地区のため「安価でヘルシーで素早く食べられるものを提供したかった」そう。6月からは、元 L'Ecailler du Bistrotのシェフを迎えて、毎日オープンする予定。自然派ワインと魚のマリアージュを堪能して。