特集 2015/12/28(月)
トレンドインサイト 1

スタイルのある大人が集う パリの最新フードスポット

ニュータイプのエピスリーやカフェがパリに次々オープンし、相変わらずトレンドを牽引する層のBOBO(ブルジョワ・ボヘミアン)が集結するスポットとなっている。共通するのは、ライフスタイル提案型ショップであること。その人気の理由を探る。

パリには「ディーン&デルーカ」のようなエピスリーがないことに注目していたデルフィーヌ・プリソンがオープンした「メゾン・プリソン」。フランスの農業の底力を見せつけるような、小生産者の高品質な食品が揃っている。1階は野菜、果物、精肉、チーズ、シャルキュトリー、総菜に絞り立てのジュースが。地下にはワイン、コーヒー、紅茶、瓶・缶詰、お菓子などが。隣にレストランも併設する。

スタイルと食が交差する
新しいコンセプト
 
人気のライフスタイルショップ「メルシー」からわずか50メートルほど南に今年5月、広さ500平方メートルのエピスリー&レストラン「メゾン・プリソン」が誕生。今、ここに集うのが、パリでBOBOと呼ばれるブルジョワ・ボヘミアンたち。教育程度や年収が高くトレンドに敏感で、環境問題などにも興味を持つといわれる、センスのいいパリジャンたちだ。ファッションの「コレット」、インテリアの「メルシー」に匹敵するスタイル提案型ショップとして早くも注目を浴びる「メゾン・プリソン」。オーナーは20年以上、モード業界で活躍してきたデルフィーヌ・プリソン。世界のトレンドに通じる女性だ。

左 レストランは朝からオープン。ランチには、エピスリーで販売されている新鮮な食材を使ったサラダ、メインディッシュ、デザートが供される。写真はビーツ、にんじん、オレンジのサラダ。€15  右 オーナーのデルフィーヌ・プリソンは、ふたりの子供のママでもある。

パリの有名シェフ、イヴ・カンデボルドがアドバイスしたという食材のラインナップは、忘れ去られた在来種のレアな野菜や、小さな生産者が真摯に手がける食品など。なかでもグルメをうならせるのは奥の精肉コーナーだ。MOF(フランス最高職人)に認定された精肉担当が選ぶ高品質の肉は、例えば、牛肉はリムーザン、オーブラック、豚はビゴール、カンタルなど、名産地ものをバリエーション豊かにとり揃える。パンは名人ブノワ・カステルが担当し、店舗で焼き立てを販売。レストランは、人気店「レガラード」のブリューノ・ドゥセが監修し、売り場で扱う新鮮な食材を使ったシンプルでヘルシーな料理が堪能できる。
 
また、 注目すべきは都会で忙しく働く層のニーズに合わせたサービス。例えば、焼くだけで手間なしの串焼き肉が20種類以上も揃えられ、ほかにもデリバリーや素材の下ごしらえなども頼める。 「フランスではガストロノミーの世界と日常の食生活が分断されていた。流通ルートが異なり、一般人は質が劣る製品を 量販店で買わざるを得なかったの。私は、高品質な食品を日常的に手に入れられる〝民主化〟をしたかったの」とデルフィーヌは話してくれた。このコンセプトに敏感に反応したのが、先述のBOBOたち。このBOBO的な付加価値により、今やパリでいちばんスノッブなアドレスとなっている。

1 / 2
1 2

photo: YUJI ONO text: KAORUKO YASUDA

SHARE THIS ARTICLES

前の記事へ特集一覧へ次の記事へ

ELLE PR STORIES

注目ブランドをもっと見る

CONNECT WITH ELLE

グルメ・メール(無料)

メールアドレスを入力してください

ご登録ありがとうございました。

ELLE CLUB

ようこそゲストさん

ELLE CLUB

ようこそゲストさん
ログアウト