特集 2015/1/13(火)
世界のおやつfrom Singapore/haru

シンガポール人が行列する、噂のカップケーキ屋さんって?

仕事の帰り道、バスの中から何の行列だろう? といつも気になっていたお店。ある日覗いて見たらカップケーキ屋さんだったのですが、まだ3時だというのにSOLD OUTと表示されていました。シンガポールではカップケーキ屋さんはいたる所にあり人気ですが、行列&売り切れまでとは。ご近所なのになぜかゲット出来ない日々を経て本日やっと買えました! さてさて人気の秘密はいかなるものか……。

モスクが美しくそびえ立つアラブ街の一角にあるミントブルーを基調とした小さな店構えです。名前は「Fluff Bakery(フラフ ベーカリー)」。

火曜日から土曜日まで12時開店、売り切れるまでが営業時間で、オープン30分前から行列ができます。この日私がたどり着いたのは12時半くらい、もちろんまだまだ行列でしたが、今日はもうバケーションシーズンが始まっているためか意外に列が短い! いつもは、1時間くらい並ばないと入手出来ないらしいので、ラッキー!

このお店、アラブ街にあるということもあり、ハラル(イスラム法上、合法である)の店なので、ムスリムの方も大勢買いに来ています。「ハラル(Halal)」には、アラビア語で“許された”という意味があり、イスラム教の戒律に即していると判断されたものを指します。特に料理や食品について「ハラル」はよく使われていて、もちろん戒律で禁じられている豚肉やアルコール類は一切含まれていません。ここはきちんとハラルの認証を受けている食材のみを使っているお店なので、ムスリムの方にも安心して購入出来るようになっています。行列のワケの一つが、ハラル対応の店かどうかというのもシンガポールならではですね。
並んでいる人は老若男女入り混じり、みんな自分の番が来るまでじーっと待っています。だいたい80種類くらいのレシピがあり、その中から6種類が毎日販売されます。当日フェイスブックでメニューが告知され、売り切れ状況や残り数などもどんどんアップデートされていきます。
 
本日のメニューは、

この時間はまだどれも売り切れてなく、1種類ずつ購入できました。それでももう売り切れ寸前!

このほかの気になるフレーバーはたくさん! 比較的なじみのある「Apple pie salted caramel popcorn」、「Maple pecan crème bûlée」。ローカル感たっぷりの「Mango sticky rice」、「Ondeh Ondeh(マレーシアのお餅のお菓子)」や、日本人には懐かしい味の「Milo(ミロ)」など挙げればキリがありません。

ケーキも少し販売していて、「Dark chocolate feuillentine pie」や「Raspberry basil cake」などがありましたが、写真を撮っている間にすっかり売り切れていました(涙)。奥の厨房では忙しそうに次々カップケーキが作られています。さてさてお味は……? どこのお店のカップケーキを食べても、パサパサしていてあまり得意じゃない私ですが、ここのケーキはどれもとてもスポンジがしっとり(店名通りフワフワ)で、甘さはしっかりしているのに、しつこくない。あら、こんなにおいしいカップケーキもあったのね、と正直驚きました。
 
左から「Nutella red velvet」、「Salted caramel」、「Dark chocolate candycane latte」のカップケーキ。

「Nutella red velvet」は、レッドベルベット生地の中にヌテラが入っています。上にのっているのは、バタークリームではなく生クリーム。それが、ここのお店の特徴でもあります。「Salted caramel」は思った通りの期待を裏切らないお味でした。本当にスポンジがしっとりで食べやすい。「Dark chocolate candycane latte」はほんのりコーヒー味のするスポンジに、中にたっぷりダークチョコレートが入っています。

「Baklava」はナッツのたっぷり入った中近東のお菓子バクラバが、中にどっしり入っていて、ジューシーでバクラバ好きにはたまらないです。

「Pandan kaya cheese」(写真左)はパンダンリーフ(東南アジやで良く使われる葉)、カヤジャム(卵とココナッツミルクで作るジャム)、それにチーズ。色はパンダンリーフのグリーンがきれいでしたが、中にたっぷり入っているカヤジャムと上にのったチーズが、なんとも言えないお味でした。「riple MILO」(写真右)はミロ味の生地、ミロ味のペースト、ミロ味のクリーム、まさにトリプル。子供の頃に良く飲んだミロを懐かしく思いながらおいしくいただきました。チョコレートよりは甘さ苦さも控えめ。数あるカップケーキ屋さんの中でもここまで人気があるのは特徴あるフレーバーの豊富さだけではなく、スポンジ自体がとてもおいしいと言うことも重要なポイントなのだな、と食べてみて分りました。
 
シンガポールで並んでまで食べて、また来たい! と思えるお店はそうそう見つからない中、このお店は他のフレーバーも試したくご近所でもあるし、また足を運ぶと思います。次回は11:30に並んでケーキも試してみようと思っています。

  • Fluff Bakery(フラフ ベーカリー)
    12 Jalan Pisang
    営業時間/12:00~売り切れるまで
    定休日/月曜、日曜

  • haru●商社に勤務後、1997年に渡仏。フランス・パリRits Escoffierにて製菓のDiplomeを取得した後、Hotel Ritsにてスタージュ。1999年2月より13年間、東京駒沢の自宅にてEcole de patisserie chez haruを主宰。現在、シンガポールに場所を変えて活動中。新店mp立ち上げ、メニュー開発、レシピ提供をしている。
    http://www.mangosteen.com.sg/lesson/culture-cake/

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