特集 2016/6/13(月)
世界のおやつ番外編 from Turkey/口尾 麻美

甘くなければお菓子ではない! トルコでみつけたご当地スイーツ

中東やアラブ圏のお菓子といえばものすごく甘いというイメージ。日本人の味覚にはちょっと……という方も多いはず。トルコのお菓子も然り。トルコ人いわく「甘くなければお菓子ではない」その秘密を探しにトルコへ。トルコはやはりスイーツの宝庫。お菓子屋さんのショーウィンドーには積み上げられたバクラヴァやカダイフ。カラフルなロクムなど、街中にあふれています。バクラヴァはトルコをはじめ、イスラム圏では有名なお菓子のひとつ。パートフィローという極薄い生地を何層にも重ねピスタチオやアーモンド(地域によって違いがある)をふんだんに敷き詰め、焼きたてに甘いシロップをしみ込ませた伝統お菓子。そんなお菓子天国のトルコからいくつかご紹介します。

フォークとナイフでいただくアイスクリーム
ドンドルマ
日本ではドンドルマと聞くとのび~るアイスで有名ですが、本当はフォークとナイフで切って食べるアイスクリームが伝統的なスタイル。材料は羊乳と砂糖とサーレップというラン科の植物の根を使って作られた氷菓。サーレップの粘りでアイスクリームが溶けにくなるとい知恵から生まれたトルコ南東部のアイスクリーム。伸ばしているイメージがありますが、それはあくまでも観光客向け。お店だと切ったアイスクリームがでてきてフォークとナイフでいただくのが一般的。ケーキのようなアイスクリームは、なかなか新鮮!

お菓子のお供に
チャイとカフヴェ
激甘のスイーツにはチャイやトルココーヒーを。トルコ人の生活にチャイとコーヒーは欠かせません。チャイはチャイダンルック(2段式ポット)で濃く入れた紅茶を好み濃さにして砂糖を入れて飲みます。カフヴェ(トルココーヒー)歴史的にも古く、淹れ方も伝統的。小さな鍋にコーヒーの粉と砂糖を入れて煮出し、デミタスカップに入れて上澄みを飲みます。とってもいい香りで癒されます。
 
いかがでしたか。甘い物を食べると不思議と幸せな気分になりますよね? 甘いお菓子は砂糖が貴重だった時代の最高のおもてなしでした。トルコの人にとって甘さはしあわせの象徴なんですね。なるほど納得。まだまだ紹介しきれないものがたくさんのトルコスイーツの世界。このような手の込んだ伝統的なお菓子は、オスマントルコ時代、スルタン(君主)のために数多くの宮廷料理人たちが技を競い、様々なお菓子を作りだしてきました。そのお菓子たちが今もなお、庶民のお菓子として受け継がれているんです。イスタンブールでは、そんな宮廷料理人たちの技を受け継ぐ、料理人たちが技を競う大会「イスタンブール・ガストロノミー・フェスティバル」が開かれています。

2003年から開催され、ハイスクール部門からプロフェッショナル部門まで79のカテゴリーそれぞれ技術を競う大会。フェスティバルというタイトル通り、会場はショーのような演出とライブ会場のような盛り上がり。参加者はそれぞれのテーマに沿ったオリジナルメニューと盛りつけからスタイリングまでをこなす。会場はキッチンスタジアムのようになっていて観客と審査員の前で調理。印象的だったのは16~17歳のティーンエイジャー部門。カメラをむけたらうれしそうに笑顔を見せてくれたり、なんとも楽しんでいる様子。自由で独創的な料理を審査員のシェフが次々に試食していきます。

フェスティバルを主催するTasfedはトルコの若いシェフの育成に力を注いでいます。トルコの伝統料理の継承と海外で活躍できるプロの育成。最近は料理人を目指す女性も多いという。トルコは世界3大料理のひとつですが、世界各国にケバブスタンドはあっても、トルコ料理は以外と知られていないものも現状。アジアとヨーロッパの間に位置するトルコ、豊かな食材とオスマン宮廷料理の文化と技術、また意外な料理のルーツがあったりと魅力あふれるトルコ料理、今後の展開にますます目が離せません! 世界で活躍するトルコ人シェフがたくさん増えることに期待大。

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text & photo : Asami Kuchio

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