シンガポールのご当地グルメベスト10に入る「ロティ・プラタ」
シンガポールには多種多様のローカルフードがあり、日本ではなかなか見かけることができないものばかり。今回は、現地の人も週に1回は食べたくなると言われる人気のローカルフード、「ロティ・プラタ」をご紹介します。
実際においしいロティ・プラタを食べる前に、シンガポール国立博物館でちょっと歴史のお勉強を。館内にあるリビングギャラリーというスペースでは、シンガポールの食などを紹介するコーナーがあるのですが、もちろんロティ・プラタの紹介スペースもありました。かつて屋台で使われていた什器や、ロティ・プラタの焼き器などが展示され、建国以来ポピュラーな食べ物としてシンガポーリアンに親しまれてきたことが分かります。
ロティ・プラタの原型は、南もしくは北インドで生まれたのだそう。シンガポールの食文化の多くがそうであるように、インドからマレーシア方面に広まっていき、各地で種々のアレンジを受け入れながらシンガポールに辿りつき、現在の形に至ったようです。(そのため今でもインド系とマレー系のお店があり、少し違いがあります)
ロティ・プラタの生地は、小麦粉、卵、水、油またはギー(インドのバターオイル)が主な材料。イーストは一切使いません。これらをしっかり捏ねて生地を作り、1ポーションずつ小分けをして、注文が入ると油をたっぷりと手に付けながら、紙のようにうすーく伸ばして折りたたみながら鉄板で焼きあげます。そのため、焼き上がりはクロワッサンのように層になっているのが特長です。
生地を薄く伸ばして行く工程は、まるで手品のよう! 思わず見とれてしまいます。
ロティ・プラタの店には、あまりオイルを使わずに焼く店、オイルを掛けながら焼く店、揚げるように調理する店など、さまざまなタイプがあります。
こちらが、「プレーン」。アツアツの生地をカレーソース(野菜、チキン、マトン、魚などから選べます)に付けながら食べます。カレーソースは頼まなくても必ず付いてくるのです。マレー系のお店ならサンバルチリソースも頼めますよ。カレーソースとはまた違って、甘辛酸っぱい味わい。病みつきになること請け合いです。
プレーン以外にも、種類は店によってさまざま。チーズ入りや卵入り、玉ねぎ入り、いわし入り、さらにはスイーツ系まで! バナナやチョコレートなど、かなりバラエティがあります。インド系のお店にはないのですが、マレー系のお店にはビーフの入った物もあります。お店によって、レシピやメニューが違うので、好みの店を探すのも楽しいはずです。
>>次ページから、シンガポールで人気のロティ・プラタの名店をご紹介します!
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haru●商社に勤務後、1997年に渡仏。フランス・パリRits Escoffierにて製菓のDiplomeを取得した後、Hotel Ritsにてスタージュ。1999年2月より13年間、東京駒沢の自宅にてEcole de patisserie chez haruを主宰。現在、シンガポールに場所を変えて活動中。新店mp立ち上げ、メニュー開発、レシピ提供をしている。
http://www.mangosteen.com.sg/lesson/culture-cake/
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The Cheese Prata Shop
16-18 Clementi Road
営業時間/24時間
Sin Ming Roti Prata
Block24 Sin Ming Road #01-51
営業時間/6:00~19:00
The Prata House
246M Upper Thomson Road
営業時間/24時間
Saffrons Cafeteria
23 Swan Lake Avenue
営業時間/8:00~22:00