特集 2015/2/16(月)
世界のおやつ from Seoul/びび언니(オンニ)

韓国の冬場の定番! 体がぽかぽか温まるお汁粉はいかが?

韓国の今年の旧正月は2月19日。旧正月は故郷で過ごす人が多いソウル市内は人気がなくなり、ちょっぴり寂しく、寒さをより感じる時期です。そんな時は心も体もぽかぽか温めてくれるお汁粉が一番。老いも若きも性別も関係なく小豆好きが多い韓国人。夏はパッピンス(小豆かき氷)、冬はお汁粉を食べている姿をよく見かけます。専門店のほかにお汁粉を扱っているカフェも思いのほかたくさんあって、食べ比べには事欠かないほど。今回はその中でも地元の人にも外国人にも人気のあるお店をご紹介します。

フランス人や芸能人が多く住んでいることで有名なソレマウル。瀟洒なヴィラなどが立ち並ぶ閑静な住宅街に餅カフェ「タムジャンヨッペ クッカコッ」はあります。ちょっと長い店名は「塀の傍らに咲く菊の花」という意味。伝統茶や韓国スイーツが味わえるカフェです。オーナーのオ・スッギョンさんは韓国餅の名匠の一人。韓国の伝統菓子を世界に広めたいと、伝統的な製法を継承したものから独創的な現代人向けのものまで手がけられています。添加物や既製品は一切使用せず、一から全て手作り。材料のほとんどがオーガニックで、その時に手に入る最良のものを使っているとか。韓国人のみならず探して訪れる外国の方が多いのもうなずけます。

伝統食器の真鍮の器に盛られた「コグマタパッジュッ(さつまいものお汁粉)」(9,000ウォン)は日本のお汁粉に比べると、甘さ控えめで小豆の旨みが凝縮しています。砂糖ではない自然な甘さの秘密はなつめ。なつめをじっくり煮詰めてジャム状になったものを甘味として使用しているのだとか。ずっしりと上に盛られたさつまいもを崩しながら一緒にいただくとほくほく感も倍増です。写真では残念ながら見えませんがお汁粉の中には白玉だんごも。さすがに餅屋のだんごだけあって、脇役なのに主役を上回るおいしさでした。日本でいう塩昆布のような役割を担っているシナモンの香りと味で重くならず最後までおいしくいただけます。

左から「ケソンジュアッ」、「ヤックァ」、「カンジョン(胡椒味)」

お店では韓国菓子を単品で販売しているので、お茶菓子として気軽に楽しめます。こちらは伝統菓子の韓菓たち。「ケソンジュアッ」(1,500ウォン)は、もち米粉をマッコリ酒で発酵させた生地を油で揚げて、水あめでコーティング。ほんのり甘くて、ふんわりプヨプヨとした食感は餅好きにはたまらないひと品です。「ヤックァ」(2,000ウォン)は、小麦粉にゴマ油やショウガを練り込んだ生地で作ったもの。一般的なヤックァは油でじっくり揚げますが、こちらのはオーブンで焼くことであっさりとした仕上がりに。口の中でほろほろとくだけて、香ばしい味わいです。「カンジョン(胡椒味)」(1,500ウォン)は、蒸して乾かしておいた米を油で揚げて、水あめで固めたもの。日本のおこしよりも軽く、アクセントの胡椒のパンチが効いています。

左から「オーブンチャルトッ(ヨモギ味)」、「チョコブラウニー餅」

現代風にアレンジしたお菓子たちも。「オーブンチャルトッ(ヨモギ味)」(2,000ウォン)は、ヨモギを練り込んだもち米粉に小豆とナッツ類を混ぜ合わせて、クッキーのようにオーブンで焼き上げています。表面はカリカリと香ばしく、中は弾力性があり噛めば噛むほど美味。「チョコブラウニー餅」(3,500ウォン)は、70%カカオのチョコレートともち米粉で作ったブラウニー。チョコレートの味が濃厚で、しっとりもちっとしたブラウニーは食べ応えがあります。

甘いものを食べた後にお勧めなのが、自家製の五味茶。「甘い、酸っぱい、辛い、苦い、塩辛い」の5つの味を持つといわれる五味茶は、上品なさわやかさで口も胃もすっきりしますよ。
 
伝統菓子は好きなものをチョイスしてお土産にするのもよし、日持ちしないものはホテルで夜食代わりにしても。おしゃれなレストランも点在するソレマウルでランチをして、こちらで韓国デザートを堪能すれば、今日のコースはもう完璧です。

  • 담장 옆에 국화꽃(タムジャンヨッペ クッカコッ)
    ソウル市瑞草区盤浦洞92-3
    tel. 02-517-1157
    営業時間/9:00~23:00 土曜、日曜、祝日は、10:00~23:00
    定休日/旧正月、秋夕
    http://www.damkkot.com

  • びび언니(オンニ)●編集者時代は取材のかたわら、おいしいものを求めてひたすら食べ歩き。20年ほど前から韓国に通い、現在ソウル在住。韓国料理の奥深さを探究すべく、韓国でも食べ歩き修行続行中。愛猫と日向ぼっこしながら、本を読むのがリラックスタイム。

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