特集 2013/12/2(月)
世界のおやつ from Seoul/びび언니(オンニ)

ケーキ後進国の韓国で話題の、フランス仕込みのパティスリー

今年も早いもので、もう12月になりましたね。日本では12月になると、今年はどこのクリスマスケーキを買おうかとワクワクしたものでしたが、韓国に住み始めて、そんな楽しみはなくなりました。というのも、韓国はまだ、美味しいケーキ屋があまり多くないんです。10年前まではほとんどのケーキがバタークリームケーキ。パン屋の片隅で売られていたためか、今でもケーキを「パン」と呼ぶ人も。これはスイーツ好きの私にとっては、死活問題。だから、探しました。そして、やっと見つけたのが今回紹介する「パティセリ・ビ」です。

行動力があり積極的な韓国人ですが、こと“食”に関しては、かなり保守的。洋食が苦手な人や、キムチがないと食事がおいしくないと感じる人が思いのほかたくさんいます。そして、スイーツに関しても、推して知るべしな状況なのです。世界の中でも日本は食事やスイーツのレベルはかなり高いですが、韓国はまだまだ発展途上中。韓国人から見ると、ケーキは脂こくって、甘すぎるというイメージがあり、そのため普及するのに時間がかかっているようです。それでもスイーツ留学する人が増えていて、以前に比べるとかなりよくなってきてはいるものの、イマイチ感は拭えず、「えっ、コレってあり!? 」なんてものにも、ときどき出会います。そんな時、スイーツ好きの友人に教えてもらったのが「パティセリ・ビ」。高級住宅街のマンションの一角にある店舗は、カフェが併設され落ち着いた雰囲気。

近くにある外国大使館の人たちもよく買い物に訪れているようです。ショーケースに並ぶのは、美しくデコレーションされたケーキやマカロン、ジャムなど。「探せば、あるじゃないの!」、一気にテンションが上がりました。

「日本でおいしいケーキとパンに出会った」と語るカン・ドスンさんは、この店のパティシエ兼オーナー。日本での留学を経て、本格的にケーキを学ぶためにフランスのルノートルへ。「韓国の人に本物のケーキとパンを食べてほしい」と7年前、お店を始めたそう。

この店で一番人気なのが、「ノア・カフェ」。このケーキは、甘いものが苦手な母親の誕生日に、どうしても自分のケーキを食べてもらいたくって、苦心してつくったケーキなんだとか。アーモンドパウダーとクルミパウダー、メレンゲでつくったダックワーズに、刻んだクルミを混ぜたムースリーヌを重ねたもの。ムースリーヌはアングレーズクリームとイタリアンメレンゲ、バタークリームに、エスプレッソを加えて、濃厚だけれども重くならない口当たりです。甘さを抑えたクリームとダックワーズのバランスが絶妙で、そこにデコレーションされたフィユティンの甘味が加わることによって、より深い味わいになり満足感を与えてくれます。健康志向でナッツ好きの韓国人が好むのも納得の味です。

私のお気に入りは、「レモンタルト」。ふんわりとしたメレンゲの下には、生のレモンを使ったなめらかなレモンクリームとジャム状のフランポワーズが敷き詰められています。甘酸っぱいクリームとサクッとしたタルトのコントラストが美味。

ほかには、いちごがたっぷりとのった「いちごタルト」や「くるみケーキ」なども人気です。日本人がよく訪れる明洞からも近く、好ロケーション。ショッピングで歩き疲れた体を、おいしいケーキで癒しませんか。

「ノア・カフェ」 6,500ウォン
「レモンタルト」 6,000ウォン

  • びび언니(オンニ)●編集者時代は取材のかたわら、おいしいものを求めてひたすら食べ歩き。20年ほど前から韓国に通い、現在ソウル在住。韓国料理の奥深さを探究すべく、韓国でも食べ歩き修行続行中。愛猫と日向ぼっこしながら、本を読むのがリラックスタイム。

  • パティセリ・ビ
     
    ソウル市鍾路区内需洞72 キョンヒグイアチム3団地
    tel. +82(2)739-5532
    営業時間/8:00~22:00(土日は、10:00~20:00)

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