特集 2013/11/11(月)
世界のおやつ from London/五月ギャンブル

カロリーなんて気にしてられない! 濃厚なクロテッド・クリームたっぷりの「クリーム・ティー」。

築500年のティールームでいただくミルクティーとスコーンは、イギリスのおやつの真骨頂。冬は長期休業に入ると知って、駆け込みセーフ! で念願の(?)のクリームティーを楽しんできました。 春にイギリスを訪れるチャンスがあったら、みなさんもぜひ味わってみて!

小さい頃に読んだイギリスのお菓子の本の中で初めて「クリーム・ティー」の存在を知ってから、ずっとその響きに魅了され続けていた私。特に「クリーム」であるクロテッド・クリームは、その頃日本で食べれるところなど皆無だったので一体どんな味なんだろう、と子供ながらに一生懸命想像を廻らせていたものでした。

そもそもクリーム・ティーは、イギリス南西部のデヴォン地方が発祥のクロテッドクリームをたっぷり塗りたくったスコーンと一緒にいただくお茶、という意味。今でこそイギリス全土どこででも楽しめるこのクリーム・ティーは、その昔は夏の避暑地であるデヴォンへ家族と旅行に行った時にだけ食べられる“ホリデー中のおやつ”というステイタスであったそう。おかげさまで今では、脂肪分たっぷりの“Made in Devon”のクロテッドクリームが近所のスーパーでも入手可能なので、お家でクリーム・ティーを楽しむということができるのもうれしい現実です。

しかしやっぱりこの素朴なクリーム・ティーは、田舎の小さなティーハウスでほっこりといただくのが理想的。私の行きつけは「ペンズハースト・プレイス」という ゴージャスなお城のすぐ側にひっそりと佇む小さなティールーム、「Fir Tree Tea Rooms」。こんなうねうねした田舎道を通ってたどり着きます。

16世紀に立てられたコテージを利用して1930年からティールームとしてオープンしているこのお店。お菓子やスコーン、クロテッドクリームが自家製なのはもちろん、ジャムも全て地元で摘んだいちごを使ったオーナーの手作り。オリジナルの立派な天井の梁や暖炉、そしてこの素朴なティーセットに癒されます。

クロテッド・クリームは、そのままで食べるとこってりしていて口の中にまとわりつく感があるのだけど、さっくさくでホロホロと崩れるスコーンと甘酸っぱいストロベリー・ジャムと組み合わせると不思議なくらいにちょうどいいバランスに! あっと言う間にクリームが入った器が空っぽになってしまうという惨事に見舞われること請け合いです。

ゴージャスなホテルで小指を立てながら楽しむアフタヌーン・ティの魅力もさることながら、たまにはこんな田舎で食べる、ふぞろいのスコーンたちもなかなかオツなものなのです。

  • 五月ギャンブル●Satski Gamble。ニューヨークのマグノリア・ベーカリーでケーキ・デコレーターとして修業する傍ら、ロック・バンドのメンバーとしても活動。ロンドンのレコード会社と契約後、渡英。著書に『ニューヨーク仕込みのカップケーキとデコレーション』。
    http://satskigamble.com/

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