北欧の夏はベリーなしでは始まらない! 超定番vs新食感のスイーツ対決
フィンランドの首都、ヘルシンキからのおやつレポートがスタート! 季節に寄り添う北欧の暮らしには、まだまだ世界に知られていないスイーツがたくさん。おいしいものが大好きな現地コーディネーターが、四季折々にご紹介します! 今回は夏ということで、やっぱりベリーのスイーツ。超定番は外せませんが、話題の新食感も気になります。
超定番に対抗する新感覚のベリースイーツは、大人の集う人気のバー、「Latva Bar(ラトヴァ・バー)」が発信源。噂の一品はカクテルのメニューにありました。「Ruis-Puolukkapuuro(ルイス−プオルッカプーロ)」(10ユーロ)。「ライ麦&リンゴンベリーのお粥」を意味するこのメニュー、本当にスイーツ? そもそも、お粥ってカクテル? ちょっと不安になりながら、恐る恐るオーダー。
バーテンダーのお姉さんがササッと取り出したのは、リンゴンベリー。マッシュしている様子は、まるでお菓子作りをしているかのようです。
ここに次々と加えられたのは、自家製ライ麦シロップ、リンゴンベリージュース、ライ麦由来の蒸留酒、アイスキューブ。
あっという間に、完成しました。トッピングにはなんとも珍しいライ麦のクリスプとリンゴンベリー。まずは、クリスプをポリポリいただきます。ライ麦の香ばしさとジューシーなリンゴンベリーの実は、これだけでしっかりスイーツ。グラスの中身にも自然と期待が高まります。
カクテルそのものは、見た目の通り薄めのスムージーのようなテクスチャー。ひと口めでズーンと口に広がる蒸留酒の深いコクに、リンゴンベリーの甘さがよく合います。決してアルコール度数は低くないはずなのに、スイスイ飲めるのは自家製シロップの風味のせいかもしれません。どこまでいっても「ライ麦とリンゴンベリー」の素朴さが損なわれず、スイーツとお酒を一緒にいただいているようです。このスイーツカクテル(勝手に命名!)には、最後までサプライズが隠されていました。最後に飲み干すグラスの底は、リンゴンベリーの粒つぶが残って自然に口がもぐもぐ……。「食べ終わり」まで楽しめました。
大人のスイーツカクテルは、単純に見えてかなり計算された逸品。超定番を凌ぐ勢いが、確かにありました。皆様のお好みはどちらでしょう? 夏のヘルシンキにお立ち寄りの際は、是非どちらもお試しください。
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Ravintola Sea Horse(ラヴィントラ・シーホース)
Kapteeninkatu 11, 00140 Helsinki FINLAND
tel. +358-9-628-169
営業時間/10:30~24:00(金曜は~翌1:00、土曜は12:00~翌1:00、日曜は12:00~24:00)
定休日/なし(夏至祭、クリスマスのみ休業)
http://www.seahorse.fi/
Latva Bar(ラトヴァ・バー)
Korkeavuorenkatu 25, 00130 Helsinki FINLAND
tel. +358-50-3818544
営業時間/14:00~24:00(金曜は~翌2:00、土曜は14:00~翌2:00)
定休日/日曜
http://latva.fi/
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歌野嘉子(うたのよしこ)●留学、現地旅行会社勤務を経て、ヘルシンキにてコーディネート事務所を主宰。個人旅行、ウェディング、各種メディアコーディネートのほか、デザインアパートメントホテルを運営。美味しい食事とお酒、美しい器があればほかにはなにも要らない!
http://www.officeutano.fi