特集 2015/10/5(月)
世界のおやつ from Bologna / Mari

270年の歴史を持つイタリア・レッチェ県の伝統菓子「パスティッチョット」

日本と同じように南北に長いイタリア。様々な気候や文化が存在し、お料理やドルチェも各地に根付いたものが盛りだくさん。今回は、日本ではまだあまり知られていない南イタリアへ皆さんを誘います! イタリアをブーツにたとえるならば踵にあたるプーリア州、その中でも一番南のサレント半島に位置するLecce(レッチェ)県の伝統的なドルチェをご紹介します。

ボローニャからアドリア海沿いを南下すること800km。今回の目的地プーリア州レッチェ県へ。プーリアと言えば、おとぎの国のようなとんがり屋根の家々が並び、世界遺産に登録されているAlberobello(アルベロベッロ)を思い出す方もいるはず。でもそのほかには? と聞かれると考え込んでしまうほど日本人にはあまり馴染みのない場所です。しかし、英語ガイドブック出版社最大手のロンリー・プラネットは「世界で一番価値ある旅行先2014年」としてプーリア州をあげるほど英語圏の皆さんには大人気の旅行先なのです! そんなプーリア州最南端のレッチェ県をほんの少しご紹介。

まずは「バロックのフィレンツェ」とも呼ばれる県庁所在地レッチェ(写真上段)。独自の石灰岩によって築き上げられた街はブロンズの光に満たされています。次にイタリア最東端の町Otranto(オートラント:写真左下)。ここからギリシャの上に位置する対岸の国アルバニアまではオートラント海峡と呼ばれ、その距離はアドリア海中で一番近い72kmです。そして、県最南端のSanta Maria di Leuca(サンタ・マリア・ディ・レウカ:写真左下)。ここでアドリア海とイオニア海が出会い、水平線が広がっているため日の出と日の入りの両方が楽しめます。
 
と、各地の素晴らしい景色を楽しむだけではなく、やはり「レッチェに来たからには、ここでしか食べられないドルチェを!」ということで、到着早々、レッチェの郷土菓子として知られている「Pasticciotto(パスティッチョット)」を食べてみました。クッキー生地の中にカスタードクリームを詰め、表面に卵を塗って琥珀色にオーブンで焼きあげたドルチェです。オーブンから取り出したばかりのアツアツのものを朝食に食べるのですが、初めて食べたパスティッチョットはカスタードクリームが片栗粉をちょっと甘くしたような感じで「ふーん、こんなものか」と思うような味。クリームもとろりともせず、期待値が高かったせいかあまりにも普通すぎて少し拍子抜けしてしまいました。
 
しかし、ここで終わるわけにはいきません。街並みの美しいGallipoli(ガッリーポリ)まで足を延ばそうとしていた日の朝、「またおいしいパスティッチョットを食べたいな」と思っていたら、ちょうどレッチェから目的地のガッリーポリに向かう中間地点に魅力的な店があることを発見しました! 今から270年前の1745年に菓子職人のNicola Ascalone(二コラ・アスカローネ)がパスティッチョットを生み出した「Pasticceria Andrea Ascalone(パスティッチェリア・アンドレア・アスカローネ)」。レッチェいちおいしいパスティッチョットをめがけて大勢の人が訪れる大人気店です。ボローニャから遥か遠いこの土地にはそう簡単には来ることができないのでぜひこの機会に、と旅の途中にこのパスティッチェリアがあるGelatina(ガラティーナ)という小さな町に立ち寄ることにしました。
 
>>次ページでは、「パスティッチョット」がいよいよお目見え!

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  • Pasticceria Andrea Ascalone(パスティッチェリア・アンドレア・アスカローネ)
    Via Vittorio Emanuele, 17 Galatina (LE), Italia
    tel. +39-0836-566009
    営業時間/9:00~13:15 17:30~20:30 日曜は、~13:15
    定休日/月曜、日曜 午後

  • Mari●大手経営コンサルティング会社にて経営コンサルタントとして勤務後、2006年に渡伊。2人の男の子のマンマをしながら「フェリチターリア」の通訳者・翻訳者・個人旅行同行アシスタントとして、「食の都」ボローニャを中心にイタリアの魅力を発信中。
    http://www.felicitalia.net/

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