特集 2018/3/11(日)
何十年もの年月をかけて開発した夢の玉ねぎって?

涙が出ない玉ねぎが、ついに誕生!

涙を流しながら玉ねぎを刻むことは、まだ完全に熟していないアボカドから種を取り出すことと同じくらい、料理をするうえで厄介な出来事。ところが最近、永遠の悩みと思われた玉ねぎの催涙問題に、うれしい展開が待っていた。

玉ねぎを凍らせたり、サングラスをかけたりするなど、玉ねぎの催涙作用を弱める裏ワザやコツについては、これまでいろいろ語られてきた。けれど、残念ながら完全な解決法はまだ発見されていない。(そもそも、事前に冷凍するのをきちんと覚えていられる人なんている?)
それがこのたび、ある科学者たちが数十年にもわたる涙ぐましい研究を重ね、ついに解決法となる新種の玉ねぎを開発。その玉ねぎの名前はサニオン。甘くてシャキシャキした食感が特徴で、従来の玉ねぎと違って刻んでも涙が出にくいのだとか。サニオンは30年以上に及ぶプログラムの中で行われた、自然な交雑育種によって開発されたもの(ちなみに開発スタートは1980年代)。つまり、遺伝子組み換えで生み出されたものではないのもうれしいポイント。

では、どのように品種改良して涙の出ない玉ねぎが生まれたのだろうか? 一般的な玉ねぎを切ると、催涙因子であるシンターゼという揮発性物質が発生。そしてそれが目に触れると、刺激を和らげようと涙が出る。普通の玉ねぎの場合、シンターゼの量は時間が経っても同じか、あるいは時間の経過とともに増加。一方のサニオンは、時間が経てば経つほど辛味が徐々に弱まっていく性質を持つため、切っても刺激性のガスを放出しないばかりか、甘くてマイルドな味の玉ねぎになったといううれしいおまけも付いてきた。

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original text : Madison Flager translation : Rubicon Solutions, Inc cooperation : Yuko Ehara photo : Getty Images

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