死者の日限定スイーツって?~赤ちゃんパン&コラダモラダ~
日本のお盆のように、死者を弔う日がここエクアドルにもあります。地球の裏側では、どのようにこの日を迎え過ごすんでしょう? 実は、エクアドルのアンデス地方には独特な習慣、そしてとてもユニークな食べ物があるんです。今日はそんな死者の日スイーツについて、レポートします。
毎年11月2日は「Día de Los Difuntos=死者の日」。死者を弔う日です。昔のインディヘナ(先住民)は死者の生まれ変わりや死後の世界を信じていて、その信条がお祭りとなったもの。スペイン人の侵略後にエクアドルの国教がキリスト教になった後も、彼らの伝統的な風習を絶やさずに、この国独自のお祝いとして現在まで続けられています。先住民が多いアンデス高地では、家族みんなでお墓へ行き、食べ物とお花を供え、その場で一緒にご飯を食べます。日本では考えられませんが、これがエクアドル流の死者の弔い方です。
さて、そんな「死者の日」が近づくと、街中に奇妙なポスターが沢山見られます。これがこの日に食べる、伝統的なスイーツ「Guagua de pan(グアグアデパン)」です。
先住民のケチュア語で赤ちゃんを意味する「Guagua(グアグア)」をかたどったパン。「赤ちゃんパン」と呼ばれるこの食べ物は、10月初旬から死者の日の当日までの間、ローカルなパン屋から高級ホテルのベーカリーまで、どこにいっても売られています。
なぜ赤ちゃんの形がモチーフなのかというと、昔はこのパンはグアグアではなく「lloron(ジョロン)=泣き虫」とも呼ばれ、赤ちゃんの涙が悲しみと死者の生まれ変わりへの期待を現わしているということです。お店によってサイズ、焼き加減、デザインも様々。小さいものは60g程度ですが、大きいものは300gまで! 赤ちゃんサイズを超えています。
パンの中身も様々で、マンハール(キャラメル)、グァバジャムが一般的。他にもチーズ、チョコレートなどが入っているものもあります。一応赤ちゃんをかたどっているだけあり、真っ二つにすると少し残酷な光景が……。
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あんり●北海道で生まれ育ち、学生時代にアメリカ・スペインに留学。 大学卒業後に日系企業に就職するも、やりたいことxできることを叶えるために3年で退職。身に着けた語学と海外経験を活かし、日本と南米の懸け橋になりたいと、南米エクアドルにきて2年目。 現地旅行会社(http://www.surtrek.jp/)でガイドとしてマチュピチュ・ウユニ塩湖などのツアーに添乗しながら、南米を多くの日本人に知ってもらいたいと、ブログも執筆中(http://ameblo.jp/quito-anri/)。