“ホームレスモデル”で話題。辛すぎる男性スーパーモデルの世界
2015/08/21(金)
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デイヴィッド・ギャンディ (David Gandy)
Born: February 19h, 1980
Age: 35
Height: 191cm
Hair:Light Dark Brown
Eyes:Blue
Debut:2001

Photo : Getty Images

【成功】デイヴィッド・ギャンディ

モード界では間違いなく現在の知名度、人気ともにトップの男性スーパーモデルは彼! ロンドンオリンピック閉会式の際、英国が誇るトップモデルたちのうち、ただひとりの男性モデルとして出演した「英国の至宝」デイヴィッド・ギャンディ。

エセックス州出身で当初は獣医を目指していたものの、単位が足らず断念。グロースターシャー大学に進学しマルチメディア・コンピューティングとマーケティングを選考。21歳の時に、当時のフラットメイトだった友人にITVのモデル発掘番組に勝手に応募され、優勝。すぐにイギリスのセレクト・モデル・マネージメントと契約するに至った。

仕事にはありついたものの、当時はエディ・スリマンに代表されるような中性的で線の細い少年系モデルの全盛期。今では売りとなったマスキュリンなボディとロマンス小説から抜け出たような絵に買いたいような美しい顔が逆にハンデとなってしまいキャリアのスタートはダメダメ。

Photo : Getty Images

しかし、男性モデルの流行を追うことを止め、がっちり系にシフトすると、2006年に「ドルチェ&ガッバーナ」に起用され大ブレイク。特に2007年の香水“Light Blue”のキャンペーンは公開されるや否やYoutubeでの再生回数が1100万回を超え、ニューヨークのタイムズ・スクエアに15メートル大の広告が掲載された。2009年にはBBCの特集「ファッションを変えた7枚の写真」にハーブ・リッツの「タイヤを持つフレッド」のリメイクキャラクターとして起用された。“Light Blue”は契約更新を重ね、2013年、そして2015年にも再度起用されるのではないかと言われている。2011年には「ドルチェ&ガッバーナ」による彼の写真集が出版され、現在では入手困難、価格も17万円を下った事がないほどのコレクターズアイテムに。

でも、それだけでは終わらない。実は人気が一般市民のなかで本格化したのは2014年にイギリスの大手PB「マークス&スペンサー(以下M&S)」のクリスマス・キャンペーンに登場したとき。同年、「M&S」がアンダーウェア、ラウンジウェアのシリーズを出す事を発表。「M&S」はロンドンにも店をもつものの、それまではおしゃれとは縁遠い庶民向けの店といったイメージ。しかし彼を起用した事によりイメージが一変。「M&Sをトレンドにした男」と呼ばれるほどの偉業を成し遂げた。これは郊外のショッピングモールを都内百貨店と同じイメージにするくらいの出来事で、元々イギリスの貴族名鑑であるドブレー2015年号に記載されたほど。

2014年にジェニファー・ロペスの「First Love」のミュージックビデオに出演。既にブリティッシュ・モデルがトレンドになっていたアメリカで熱狂的に受けいられ、ABCニュースのインタビューに登場するなど知名度は不動のものとなった。彼の人気や現在の地位を得るに至った理由はもちろん、自分のルックスが男女問わず客体として消費されるターゲットであると覚悟したこと。でもそれ以上にセルフプロデュースに長けている事があげられる。例えば、ブログはごく一般的なものはUK「ヴォーグ」に、カーレビューは「GQ」に、と書き分けている。
 
また、彼のデジタルマーケティング術も一流で、撮影の関係かプライベートかはさておき、インターネット環境が無い場所に赴き更新ができない際にはチームからその旨お知らせがあるほど。チャリティに熱心な事でも有名で、あるチャリティイベントに出席しエリザベス女王に会った時などは「女王に会えたことより、このチャリティに参加できる事の方が光栄でした」とコメント。現在はコレクションショーに出ることは殆ど無いが、イギリスのサヴィル・ロウの技術を守るため、白洲次郎も愛した老舗テイラー、ヘンリー&プールの広告塔をつとめたり、ロンドンメンズコレクションやその他のイベントにもマークスのメンズウェアで登場したり、ヴィンテージのジャガーでミッレミリアに出場したり、イギリスの誇るブランドの数々の魅力を伝える事に特に力を入れている。

今はフロントロウの常連。ロンドンコレクションで彼を撮影した事のあるカメラマン曰く、「普通の人でもスナップするとき目すら合わせてもらえない事が多いのに、彼は名前を聞いてくれて、調子はどうかと尋ね、忙しいのにこちらの要求にあわせて目線付きでポーズをしてくれた。これまで色々な人の写真を撮って来たけれど、あそこまでカメラマンに優しい人に初めて会った」と話しているほど。とにもかくにも、ただのスーパーモデルからシフトを何段階も変えてきた彼が、現在のトップある事は疑いようがない。

Text : Ryoko Tsukada

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