高橋さんが本作に与えた影響とは?
本作の見どころのひとつが、キャストのファッション。衣装については、主演の高橋さんの意見が存分に反映されているのだとか。
関監督によると、高橋さんの衣装に関してはこんなエピソードが。「最初はベーシックにスーツだったんですが、高橋さんと役作りやフィッティングを重ねるうちに、『このキャラクターがスーツを着ている姿は想像がつかない。例えば、どこの国の服かわからないような衣装はどうか?』と高橋さんが提案してくれたんです。すごく面白いなって共感して、突き進んでいった感じですね。結果、“抑圧されてるんだけど、プレイフル”という、彼の置かれているどこかデカダンスな状況を表現できたと思っています」
実は、衣装のエピソード以外にも、高橋さんが本作に与えた影響は大きいよう。高橋さんとの共演の経験がある本谷さんもこう語る。
「高橋さんとは、以前私が脚本を手掛けた舞台で一カ月みっちり一緒に稽古したんですが、そのときはお互い“殺したい!”と思うくらいやりあっていましたね(笑)。ただの王子様だと、演じ手としての彼の欲望が満たされないと思ったので、どうにかしてひとくせもふたくせもある人物を書かなきゃというプレッシャーが正直ありました。高橋さんは自分のイメージをはっきりもっている役者さんなので、演出家としてもきちんと自分をもっていないとうまくいかないんです。そういう意味でも、いい緊張感で書かせて頂きました」
一方、高橋さんは「自我をできるだけ排除するようにしている」のだとか。
「作品は脚本や、監督の演出がすべて。俳優はそれを柔軟に受け止めるだけ。僕は、自分の自己表現というものはとっくの昔にどこかに置いてきてしまっているんです。そういう想いは、30歳を超えてより強くなりました。極端に自分の“演技”といわれる部分を排除し、ストーリーの中の役になりきるというアプローチが、本作でもいい形で出てくれているといいなと思っています」
movie: MAHO TOMONO, LOKO KINOSHITA
-
お問い合わせ先/ブシュロン カスタマーサービス 03-5537-2203
www.boucheron.com
-
「Cinder Ella ~ある愛と自由の物語~」
https://www.youtube.com/watch?v=AEs0q4JnQZc&feature=youtu.be
STORY
義姉から虐げられる日々を送る女(レティシア・カスタ)と、名家に生まれ、何不自由のない生活を送る男(高橋一生)。環境が異なるふたりは、いつしか惹かれあうが、女は境遇の違いから恋に踏み出せないでいた。だがある日、男から贈られた宝石を身に着けたことをきっかけに、彼女の中に変化が訪れる。
■監督/関和亮
■脚本/本谷有希子
■主演/レティシア・カスタ、高橋一生2018年5月24日(木)より、ブシュロン公式ホームページで公開中