プチセレブ気分でアートオークションに
エル・エディターが私的に夢中になっているものをお伝えする、デイリー連載OKINI。本日は、エディターYOKO.Nが最近読んで面白かったアート本とイベントをピックアップ。
突然ですが問題です。キャサリン妃とエディ・レッドメインの共通点はなんでしょう? 答えは……2人とも大学の専攻が美術史!(ちなみにエディの高校時代のご学友、ウィリアム王子もともとは美術史専攻でしたが、その後地理学に変更しています。)
ということで万が一、妃やエディに会えたときのために共通の話題を仕込んでおこう(半分本気です)とアート本を読んでいるのですが、最近面白かったのが『サザビーズで朝食を』。著者はサザビーズで長年ディレクターを務めてきた超目利き。オークションの裏舞台やズバリどんな画家が高く売れるのか、美術とお金をめぐるエグい部分を暴露しまくっている本です。
美術を語るときにお金を持ち出すなんて下品! と思ってしまいますが、それだけに今まで禁句だった目からウロコな話のオンパレード。例えばムンクは苦悩の時代の作品--『叫び』とか--は高く売れるけれど、ほのぼの暮らしていたときに描いた絵はお安い……とか、ムンクにしてみると「人の気も知らないで!」的なお値段事情になっているそうです。
この本を読むとオークションに潜入したくなるのですが、さすがにサザビーズのオークションには入り込めない。ということで庶民に優しいBunkamura Galleryの入札制オークションに行ってきました。ジェフ・クーンズのプレートや草間弥生のオブジェ、金子國義のエッチングや北野武の版画まで、なかなか一度には見られないものを至近距離で鑑賞……というか品定めできます。
作品に応じて最低落札価格が決まっているのですが1万円くらいからと、手の届くお値段! それに「どうしても手に入れたい度」と「お財布のゆとり度」を考えてお値段を上乗せ、申し込み用紙に書き込むだけで入札完了です。あとは締切後、最高額をつけた人に連絡が来るのでドキドキしながら待つだけ! 私が何に申し込みしたのかは内緒ですが、アッパス・キアロスタミ監督のサイン入り絵画に目が釘付けでした。
制作年や最低入札価格や落札予定価格が書いてあるリストを見つつ、品定め。
ちなみに今回は5月7日(日)で入札は終わってしまいましたが、定期的に開催されています。入札するかしないかはさておき、「オークションに来てる!」というハイソでスノッブ、プチセレブな気分に浸れます。美術館に行く気分でみなさまも是非。
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Illustration:DAICHI MIURA
YOKO.N:カルチャー、セレブゴシップ担当エディター。浅田真央選手の引退会見やこれまでの軌跡をワイドショーで見続けていたら、フィギュア選手になりたい! という手遅れすぎな夢がふつふつと……。そんな気持ちを抑えつつ、来週は市川染五郎が演出する歌舞伎とフィギュアスケートのコラボ「氷艶hyoen2017-破沙羅-」を見に行く予定。スケートを習う! とか言いださないか自分で自分が心配です。