ロマンスと女子の大好物が詰め込まれた『ボンジュール、アン』ほか7月第二週のコレ観なきゃウィークエンド
毎週たくさんの新作映画が劇場公開されるなかで、私たちが本当に観るべきものって? 女性の知的好奇心を満たす、いま観るべき作品をエルが週替わりでセレクトし、ご紹介。今週は、ソフィア・コッポラの母であるエレノア・コッポラが監督を務めた『ボンジュール、アン』、イタリア発の心温まる女たちのヒューマンドラマ『歓びのトスカーナ』の2作品をピックアップ。
7月7日(金)公開 『ボンジュール、アン』
有能な映画プロデューサーだが私生活は手がかかりっぱなしの夫の世話を秘書のようにこなしてきたアン。彼中心に回っている毎日だったが、ある時、ふと彼から解放され、彼の仕事仲間と二人きりでカンヌからパリに向かうことになる。7時間で着くドライブのはずが、いつしか名所を巡る2日間の小旅行に。思いがけない時間をアンはいつしか楽しみ始める。フランシス・F・コッポラの妻にして、ソフィア・コッポラの母であるエレノアが初めて手掛けた映画は本人を思わせるエッセンスがいっぱい。多くの女性が共感しやすい内容になっている。コートダジュールの遺跡めぐりに美しいフランス料理とワイン、魅惑のチョコレートの数々、しゃれた会話にちょっとしたロマンスと女子の大好物がきれいにアソートされ、現実を忘れさせてくれる、まるで、ご褒美のような作品。
監督・脚本/エレノア・コッポラ
キャスト/ダイアン・レイン、アレック・ボールドウィン、アルノー・ビアールほか
7月7日公開
http://bonjour-anne.jp/
7月8日(土)公開 『歓びのトスカーナ』
トスカーナにある緑豊かな診療施設では、心に問題のある女性たちが大勢、入居し、いつもぶつかり合っていた。そのなかで幅をきかせているのは、虚言壁のある、自称・伯爵夫人のベアトリーチェ。新入りのタトゥーだらけの美しい女性ドナテッラを見かけた彼女は、ほかの女性たちにはない魅力に夢中になり、友だちになりたいと熱望。殻に閉じこもりがちのドナテッラだったが、ハイテンションなベアトリーチェに押され、いつしか笑顔を見せるようになる。彼女には会うことのできない息子がいた。ベアトリーチェはなんとかして、彼女の助けになろうとする。奇妙だけど愛おしい女性たちの友情に泣いたり、笑ったり、心、温まるヒューマンドラマ。イタリアのアカデミー賞、ダビッド・ディ・ドナテッロ賞で17部門にノミネートされ、作品賞、監督賞、主演女優賞、美術賞、ヘアスタイリスト賞の5部門を受賞している。
監督/パオロ・ビルツィ
キャスト/バレリア・ブルーニ・テデスキ、ミカエラ・ラマッツォッティ、バレンティーナ・カルネルッティ、トンマーゾ・ラーニョ、ボブ・メッシーニほか
7月8日公開
http://yorokobino.com/
Text: Aki Takayama