特集 2016/9/27(火)

敏腕パブリシストが明かす! ブランジェリーナの離婚劇で光るアンジーの神戦略

パワーカップルが離婚する場合、穏やかでありきたりな共同声明を出すのがセレブ界では一般的。でも先週、世界に衝撃を与えたブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリーの離婚劇では夫婦間の連帯がまったく見られなかった。エンタメサイト「TMZ」が9月20日(火)の朝に第一報を報じると、その日の午後にブラッド・ピットが雑誌『ピープル』に、アンジーのマネジメントがニュースサイト「E!ニュース」に声明を発表。その間にブラッドの浮気、子どもに対する虐待、子育てに対する意見の不一致など、破局の原因に関する噂が次々と報じられた。

離婚書類が提出されたとき、それをTMZが偶然発見する可能性はありますか? それとも誰かが情報を漏らしたのでしょうか?
 
「TMZ」の創設者であるレヴィン・ハーヴェイは法律制度を熟知している。彼は弁護士であり、弁護士の行動も理解している。だから「TMZ」が偶然見つける可能性も十分あり得る。でもパブリシストとして、コラムニストとしての経験から言うと、偶然見つけることはない。見つけられるように正しい方向に導いてくれる人がいるものだ。これは推測だ。でも私の経験では「この日に君は離婚申請をチェックしたいと思うんじゃないかな」というようなことを誰かから仄めかされる。その結果、申請書類を見つけるんだ。火曜日に週刊誌が印刷に入ってから「TMZ」がこれを見つけたということを考えると、彼女のチームが何らかの形で関わっていると思う。

 

アンジーのチームが関わっていると考えるのは「TMZ」がこれを最初に報じたからだけではない。セレブのパブリシティでは、最初に情報を出した方が勝ちだ。「TMZ」が最初だったというだけではなく、その内容は明らかにアンジーに有利だった。ブラッドは悪い父親だった、大麻があった、アルコールの問題があった、というようにね。私にはただ偶然見つかったのではなく、意図があったもののように見える。アンジー派の誰かがこういうストーリーが報じられるように手助けしているように思う。現時点ではブラッド派が一生懸命にこれを挽回しようとしている状態だ。
 
―ブラッドが雑誌『ピープル』に声明を発表した点についてどう思いますか?
  
声明を発表する媒体としては完璧だ。『ピープル』はセレブたちにとって安心できる媒体だから。セレブたちは『ピープル』が彼らの言葉を捻じ曲げることがないと知っている。それに『ピープル』はアンジーのインタビューが欲しい。だからこれから数週間、『ピープル』はこの問題を慎重に扱うだろう。もちろんこの話題を報じるはずだ。でも非常に柔らかいトーンになるだろう。もしアンジーを怒らせたら彼女は自分の主張を話してくれないだろうから。彼らは「アンジーが語る離婚の真実」というようなタイトルで彼女の話を報じるはずだ。
 
―代理人が入ってくるのはどのタイミングなのでしょう? 離婚や破局を発表する前に双方のチームが話し合うことはあるのですか?
 
通常、それはセレブリティが決めるべきことだ。彼らの決断なんだ。そして誰であれ、カップルのうち最初に行動を起こした方が両者のチームにこれを伝え、双方のチームの間で電話会議が行われる。そして普通、2人で共同声明を出すことになる。多くの場合、この共同声明は決まり文句を並べたものだ。ブラッドとアンジーのケースでは、このパターンに沿わなかったことも非常に面白い。
 
私には、ブラッドのチームが明らかに遅れをとっているように見える。悪い父親だという悪評が何時間も報じられ続けたからだ。(「TMZ」ではこう報じられた。「ブラッドとアンジーの関係者によると、アンジーが離婚を申請したのはブラッドの子育て方法が理由だ。彼女はブラッドの方針に非常に苦しめられている。アンジーを担当する芸能関係の法律を扱う弁護士ロバート・オファーは『彼女が離婚を決意したのは家族の幸せのためだ』と語っている」。)これは作戦司令室であり政治なんだ。ヒラリー・クリントンとドナルド・トランプの対決のようなものだ。ブラッドもアンジーも陣営を作り、報道が出たらそれにすぐに反応するための緊急チームを組織している。ブラッドにとって「悪い父親」という報道への対処が遅れることはよくない状況だ。

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Translation & Text: Yoko Nagasaka Photo: GETTY IMAGES

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