特集 2018/1/23(火)

『シェイプ・オブ・ウォーター』が最多13部門に。第90回アカデミー賞のノミネートが発表

今年度のアワードシーズンのクライマックス。第90回米国アカデミー賞(正式名:オスカー)のノミネーションがついに発表! 今年は話題の『シェイプ・オブ・ウォーター』が最多13ノミネート。

記念すべき90回目を迎えたオスカー(米国アカデミー賞)。現地時間1月23日早朝、各賞の候補が発表に!

2017年のハーベイ・ワインスタインによるセクハラに端を発した、ハリウッドの闇の告発。2018年も引き続き、男女格差、人種差別、パワーハラスメントがあることが平常運転だった不健全性が次々に浮き彫りになっているハリウッドの象徴でもあるオスカーが、年々その権威をマーケットにおいてとくに失い続けている実情を背景に、存在感を見せられるかどうか瀬戸際に立たされている。

昨年は黒人社会における性的マイノリティを描いた『ムーンライト』を、(作品自体の優秀性はゆるぎないものの)こともあろうに白人の懐古趣味的『ラ・ラ・ランド』と間違えるという、下手をすれば人種問題に発展しかねない前代未聞のミスが起こったばかり。

しかし、ゴールデングローブ賞は「ハリウッドの金持ちたちの茶番」と茶化されること前提で、映画・ドラマ賞の場を借りた社会運動「Time’s Up」キャンペーンPRに変換し、オワコン感をある程度払拭することに成功した。

そして記念すべき90回がノミネーション段階で、どれほどダイバーシティとハリウッドが内包している無意識の差別を、米国アカデミーとその会員が解決できるかに注目が集まっていた。

結果として、女性主役の作品の割合も高く、ゴールデングローブが拾いきれなかった作品も巻き込み、ナタリー・ポートマンが壇上で「こちらが全員男性の候補たちです」と痛烈な嫌味を放って発表した監督賞に、「なぜこの人が入っていないの⁉︎?」と多くの人がツッコミを入れていたグレタ・ガーウィグが入っていたことで、アカデミー会員の潜在的な偏りをある程度改善できたと言えそう。ただ、候補一覧を改めて見てみると『レディ・バード』さえ入れておけばいいと思っているのでは? とも穿った見方ができるし、作品賞のうち4つが女性の物語とはいえ、全体的に白人男性優位のノミネーションであり、アジア系の活躍は三大国際映画祭と比べても、米国の人口比から見てもまだまだ。本当の意味でダイバーシティと言うには100回目まで待つ必要があるのかも?

Photo: Aflo

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