孤高のジョージア・オキーフ、“米モダニズムの母”と呼ばれたアート界の女王
モダン~コンテンポラリーアートのなかで重要な様式や潮流を発信してきたアメリカン・アート。そこにはあらゆる方面で深く関わった女性たちがいた。今も変わらない男性優位の体制のなか、アートシーンを力強く開拓していった女性たちにフォーカスを当てる連載3回目は、アメリカ芸術界の代表格、“アーバン・アート”で活躍した女性たちをフィーチャー。
「アメリカ・モダニズムの母」ジョージア・オキーフ
写真芸術に女性たちが参入していった頃、いわゆる都市化が進み、ニューヨークなどの風景が極端に変わり始めていた。コンクリート・ジャングルが立ち並び始め、そこに摩天楼が加わると、こういった都市特有の風景や人物像、あるいはアーティスト自らを含めた都市生活者を描く通称“アーバン・アート”が台頭した。
自身のスタジオがあるユニオン・スクエアや、都市で働く女性たちというまったく新しい女性像、そして都市のさまざまな残像を描いたイザベル・ビショップのほか、「アメリカモダニズムの母」とも呼ばれる20世紀で最も著名な女性アーティストのひとり、ジョージア・オキーフもこの頃から活動を始めた。1915年というかなり早い時期に、水彩からチャコールによる抽象画へと大きな変化を遂げた彼女の作品は、友人で写真家であるアニタ・ポリツァーに贈られ、そこで当時師事していたスティーグリッツの目にとまり、スティーグリッツは彼女の許可なしに彼のギャラリー「291」でその作品を展示。のちに彼女はスティーグリッツと結婚する。
Text: Ryoko Oh
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オー・玲子(ライター・リサーチャー)/学習院大学文学部哲学科美学美術史専攻卒。写真通信社、海外誌を中心にフォトリサーチャーとして勤務後、現在アメリカにてライターとして活動。
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