リンダ・エヴァンジェリスタ、巨大製薬会社に立ち向かう
昨年、アナフィラキシー症状の治療に用いられるエピペンの価格を約5倍も引き上げ、大きな批判を浴びたアメリカのマイラン製薬。今度は製品の不具合が発覚! モデルのリンダ・エヴァンジェリスタがSNSで強く非難している。
エピペンとは食物アレルギーなどによるアナフィキラシー症状を一時的に緩和するための補助治療剤。患者は常にこれを持ち歩き、症状が出てしまった場合にはこれを自分で注射する。このエピペンを製造しているアメリカの製薬会社マイランが先月末、製品の一部をリコールした。薬がすぐに出ない不具合がある、というのがリコールの理由だと発表しているけれど、アナフィラキシー症状は「すぐに」症状を緩和しないと死に至ってしまう。つまり市場に危険なエピペンが出回っているというわけ。
元祖スーパーモデルのリンダ・エヴァンジェリスタはこの製薬会社を猛非難。インスタグラムにエピペンの写真をアップ、「マイランとCEOのヘザー・ブレスチは恥を知りなさい。命を救うべき、600ドルもするエピペンがリコールされている。私たちはこのエピペンのセットをこの1年、どこに行くにも持ち歩いている。だから私の子のアナフィラキシーを治療するのに必要なのがこのエピペンでなかったことに感謝している。説得力はないけれどマイランはエピペンを461%も値上げした理由の1つに配送システムをあげていた。そして今回のリコールも配送システムが理由になっている。危険にさらされている人のために祈りを」とコメント。リンダの息子がアレルギーを持っていて、エピペンを使っているという。
ちなみにリンダは「マイランはエピペンを製造・販売する権利を獲得したけれど、エピペンは税金を使って開発されたもの。マイランはエピペンを値上げした挙句、議会でロビー活動をしてすべての学校にエピペンを置くようにした。そしてアメリカでの税金を逃れるために海外に生産拠点を移した。CEOの給料は671%上がり1893万1,068ドル」と製薬会社の倫理姿勢に対する批判も。
リコール問題だけでなく、命に関わる薬剤を高額で販売していることでも批判を浴びているマイラン。これからリンダを始めセレブたちの意見にどう反応するのか注目したい。
text : Yoko Nagasaka