アンジェリーナ・ジョリー、紛争下における性暴力の撲滅を訴える
UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の特使として活躍するアンジェリーナ・ジョリー。新聞「ガーディアン」に記事を掲載、戦場における女性に対する性犯罪を撲滅しようと訴えている。
新聞「ガーディアン」にNATO事務総長のイェンス・ストルテンベルグと論説記事を共同執筆したアンジェリーナ・ジョリー。NATO(北大西洋条約機構)は、紛争下で作戦の一つとして行われる女性に対する性暴力の撲滅運動を主導するべきだと訴えている。
記事の中で「国際法で禁じられているにもかかわらず、性暴力はミャンマーやウクライナ、シリアからソマリアまで様々な紛争地区で紛争の戦略の手段として用いられています。集団レイプ、性奴隷、拷問としてのレイプ、民族浄化やテロリズムなどが含まれています。これらが、現在戦闘地区において女性の方が兵士よりも危険な境遇にある理由の大部分を占めています」と訴えたアンジー。
「平和な社会であっても、戦時下であっても女性に対する暴力は人間性にとって恥ずべきものです。これらは世界中で軽い罪だと見られてきました。これを変えることができるという最後の希望があります。私たちは変える義務を、私たち自身—男性にも女性にも同様に—、そして未来の世代に対して負っているのです」。
これまでも同じメッセージを度々発信してきたアンジー。今年6月にもアフリカのケニアの難民キャンプを訪れ、性暴力撲滅を訴えるスピーチをしていた。それでも紛争や性暴力がなくならないのが悲しい現状。今年は、形は違ったとしても性的暴力が紛争地域以外でも蔓延していることが改めて明白になった。そんな中、彼女のメッセージについてもう一度考えたい。
text: Yoko Nagasaka