サラ・ペイリン役でゴールデングローブ賞獲得のジュリアン・ムーア、女性政治家のファッション事情に物申す
TV映画「ゲーム・チェンジ 大統領選を駆け抜けた女」でサラ・ペイリンを演じ、ゴールデン・グローブ賞ミニシリーズ・テレビ映画部門主演女優賞を獲得したジュリアン・ムーアが、女性政治家のファッション事情に関して話したいことがあるそう。
オンラインマガジン「Fashionista」のインタビューに答えてジュリアンは、
「政界での女性はその肉体的な外見やファッションのチョイスを元に不当な審判を下されてるって本当に思うわ。男性政治家がどんなヘアスタイルをしてても、着ている服がどんなに魅力的でなくても、誰も話題にすらしないのに」
国務長官を務めるヒラリー・クリントンが、髪の毛をシュシュで後ろにまとめる姿を披露したところ、各ゴシップ誌から「何あれ?(笑)」とからかわれたのが昨年。その後、ヒラリーがヘア・スタイリストに「シュシュを使うのを止めて」と言ったことが話題になったことに関しても、「まったくバカげてる」と発言。「女性政治家が自身の美の問題に関して要求したことを、もし逆の立場である男性政治家に押しつけられたとしたらもうお笑いでしょ」
彼女はまた出演したTV映画について、「選挙戦のプロセスをショービジネスの世界で描くのには不幸な平行線だった」と述べた。ジュリアンはどんな役にも対応して自らの姿を変えて見せるのが得意なことで知られているが、サラ・ペイリンの“盛り”ヘアや銀縁眼鏡、そしてミニ・スカート・スーツを身に付けて「サラ・ペイリンだと思いこませる」映画製作に関しては理解しているそうで、「私たちはストーリーテラーの世界にいるんですもの」ともコメント。
けれども、この作品への出演によって、ハリウッドの巧妙な製作プロセス、つまり化粧や衣装の及ぼす効果が政治の場においても応用され、予算が組まれていたことを知ったという。「政治って真実に基づくものだとされているけど……時にそれはとてもよくでっちあげる(製作する)こともできるってことなのよね」
女性政治家の悩みは万国共通。どの道、男女共同参画以前の問題であるのはどこも同じ。すっぴんで少々だらしない姿でよくパパラッチされているジュリアンのように、自然体で目撃されても仕事に影響もせず、女優として自信のある人には少し許せなかったのかも? いずれにせよ、女性って大変。
text : Ryoko Tsukada