NFL選手、クリス・カルヴァーがゲイ差別発言を謝罪
ラジオ番組のインタビューで「ゲイにはロッカールームに入ってほしくない」と発言してしまったNFLサンフランシスコ・フォーティーナイナーズの選手、クリス・カルヴァー。本人だけでなく、チーム自体が謝罪文を公開する結果に。
現地時間1月29日にオンエアされたラジオ番組で、NFLにおけるゲイの立場に関する質問を受けたスーパーボウルでの頂上決戦を控えているサンフランシスコ・フォーティーナイナーズのクォーターバック、クリス・カルヴァーがとんでもない失言をしてしまった。
「ぼくはゲイ向きの男性にはなれないよ。ぼくにはできない。いや違う。僕たちのチームにゲイはいないよ。もし(ゲイ行為?を)したらそんな奴は出て行かざるを得ないよ。そんなスウィートな人がいるなんてあり得ないよ、ロッカールームにゲイの人がいるなんてさ、だろ?」それではゲイのアメフト・プレーヤーは自分の性的嗜好を隠さねばならないのか?という質問にもカルヴァーは「そうだよ。引退した10年後にカムアウトすることだね」と回答。
この徹底的なホモフォビア(フォビアは~を病的に嫌うという意味)発言を受け、所属するチーム自体が即座に声明を発表。
「サンフランシスコ・フォーティーナイナーズは昨日クリスから発されたコメントとそこで触れられた事態すべてを拒絶しています。我々の組織内でそのような差別が行われる場所はどんなレベルにおいても一切存在しません。 我々は常に、そしてこれからも誇り高くLGBTコミュニティをサポートします」 とのこと。
当のフォーティーナイナーズはゲイのアスリート支援目的のビデオ「It Gets Better」を昨年8月にリリースしたばかり。当の発言をしたカルヴァーはこのビデオに出演していなかった。
アスリート支援団体、Athlete Allyのエグゼクティブ・ディレクターを務めるハドソン・テイラー氏はスポーツ界におけるホモフォビアを根絶するのに役に立てばいいが、とカルヴァーの発言を基に以下の声明を発表。
「クリス・カルヴァーのコメントは大変敬意を欠いており、差別的で危険です。特に彼を憧れの対象としている若い人々への影響が心配されます。彼の発言は我々Athlete Ally の活動と、プロフェッショナル・アスリートたちがゲイやレズビアンのアスリートたちを含む場所で、同じアスリートとして含み同じフィールドでプレイするという重要な役割を低く見ています。カルヴァーの視点が境界的でミスリードされたものだとせよ、我々はより多くのNFLの選手たちが我々の団体を通じてホモフォビアに対抗する動きをしていることを見てきました。
しかしまた我々は、このサポートのレベルがまだ成長過程段階にあることを知っています。Athlete AllyのNFLでのアンバサダーたち、AFCチャンピオン、ボルティモア・レイヴンズのブレンドン・アヴァンダデジョ、ミネソタ・ヴァイキングスのクリス・クルーウェ、クリーヴランド・ブラウンズのスコット・フジタたちが我々とNFLを結びつけてくれています。彼らは我々のミッション、いかなるスポーツにおいてもチームやリーグ、そしてファン・ベースにおいてでもホモフォビア的な発言がなされるのを終わらせるということをプロモートしてくれており、彼らの同僚たちにこの活動に参加するよう呼びかけてくれています。彼らの関わりと素晴らしいサポートによって、全米のNFLファンがこの差別はもはや周辺のものであり、スポーツ界において何の場所も得られないと受け止められていることは明白な事実です」 と述べた。
チームとして立派な対応だけれども、スポーツ系の男性の多くはなぜそんなに自分が性的視線にさらされるのを怖がるのか(女性はいつもさらされてますけどね)……。でも筋肉自慢とかしているし、なんだかなぁ……ブツブツ。
text : Ryoko Tsukada