“観て損なし!”のオスカー関連作が続々公開
いよいよ来週、3月2日(現地時間)に授賞式を控え、ここ日本でもオスカー関連作が続々公開に! 今週末に公開されるハートフルコメディ『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』と、大女優ジュディ・デンチ主演の『あなたを抱きしめる日まで』(3月15日公開)。見かけは地味目ながら、ほっこり度もエンタメ度も抜群の秀作2本をピックアップ!
アメリカ横断の旅に出る父と息子のロードムービー
ハリウッド大作が「世界同時公開」することもあるけれど、映画の公開時期はそれぞれの国でまちまち。最近の日本では、賞レース、特にアカデミー賞にノミネートされるであろう高い評価を得ている作品が、2月から4月に公開されるようブッキングされる傾向がある。もちろん、これは授賞式の放映や受賞のニュースが作品の最高のプロモーションになるからで、その効果を狙っているのだ。
ということで、このシーズンはぜひおすすめしたい良い作品の宝庫。アカデミー賞に関しては、受賞作だけでなくノミネートされただけでも、そのハイクオリティは保証されている。特に、今年は良作が揃っていて何を観ても面白い! そんななか、受賞はおそらくしないかもしれないが、“絶対に観て損はしない”作品を2本紹介したい。
1本は、『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』。『サイドウェイ』(2004年)や『ファミリー・ツリー』(2011年)などもアカデミー賞にノミネートされた今の米国で最も重要な監督のひとり、アレクサンダー・ペインの新作だ。2013年のカンヌ国際映画祭で上映され、主演のブルース・ダーンが最優秀男優賞を受賞した。ちなみに、ブルース・ダーンはジョン・ウェインの西部劇などでも活躍したベテラン俳優で現在77歳。娘はデヴィッド・リンチ映画でも知られるあのローラ・ダーンです!
『ネブラスカ~』は、そのブルース・ダーン演じる主人公が、“宝くじが当たった”というニセの通知を本気にし、疎遠だった息子とともに車でアメリカ横断の旅に出る……というロードムービーだ。アメリカらしい素晴らしい、けれど平凡な風景とほっと笑えるユーモアに満ちた、ハートフルなコメディ。カンヌでも高評価だったけれど、モノクロでしかもビッグスターのいないこうした作品がヒットし、アカデミー賞にかかるというところが米国映画の底力でしょうか。
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『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』
監督/アレクサンダー・ペイン
出演/ブルース・ダーン、ウィル・フォーテ
配給/ロングライド
公式サイト/http://nebraska-movie.jp/
2014年2月28日(金)~、TOHOシネマズシャンテ、新宿武蔵野館ほか全国公開
(C)2013 Paramount Pictures. All Rights Reserved.
text : Atsuko Tatsuta