「ヘルシーおやつ」を大検証! それって本当に体にいいの!?
2017/12/22(金)
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脂質と糖質の原料に着目すべき

さらに、有機素材=体にいい、健康的な食品とは言い切れない面もあります。特に加工食品であるおやつの場合、甘みや見た目のよさ、触感などを考えて、さまざまなものが加えられています」。なかでもエリカさんが懸念するのは、脂質と糖質だという。「お菓子は、風味とおいしさを出すために、甘さと油が欠かせません。国産の有機小麦を使っているのに、甘さと脂質に手を抜いているところも少なくありません。

例えば、本来であればバターを使ってほしいのに、ショートニングなどのトランス脂肪酸を使っているケースもまだまだありますね。欧米ではトランス脂肪酸への規制が始まっていますが、日本は欧米に比べて摂取量の平均が低いということから、規制はありません。ですがトランス脂肪酸は、クッキーやビスケット、ドーナッツやケーキなど、小麦を使った市販のお菓子の多くに使用されているのです。大量摂取は、体重増加、心臓疾患、不妊症(女性・男性共に)、子宮内膜症などの婦人科系の病気、アルツハイマー病などさまざまな疾患の因子になると言われています」。

また、糖質はもっと厄介だとエリカさんは指摘する。「日本人女性は、お菓子は好きですが太りたくないので、低カロリーやカロリーゼロにこだわります。ですが、甘くないお菓子はおいしくないので、代用として人工甘味料が使用されます。アスパルテームやサッカリン、スクラロースなど、甘みを出す人工甘味料は多いですが、これらこそ罠。人工甘味料は腸内環境を悪化させ、カロリーゼロを選んだつもりが、かえって太りやすい体を作るといわれています。

人工甘味料の摂取を続けると、血中からグルコース(ブドウ糖)を吸収しにくくなり、高血糖値が続きます。糖尿病や肝臓病、心臓病発症リスクの上昇を引き起こすことも」。見た目のナチュラルさに惑わされないことがまずは大事。「原料表示によくわからないカタカナや○○剤、といったものが多いものは、ナチュラルとうたっていても避けるのが無難。逆にコンビニのお菓子でも原料表示が明快でシンプルなものは、選んでもよいものと考えるとわかりやすいですね」(エリカさん)。

  • <プロフィール>

    エリカ・アンギャル

    Erica Angyal/栄養コンサルタント。オーストラリア・シドニー出身。シドニー工科大学卒業、健康科学学士。ネイチャーケアカレッシ卒業(栄養学)。伝統療法や代替療法にも詳しく〜、予防栄養学のエキスパート。2004年から8年間、ミス・ユニバース・ジャパン公式栄養コンサルタントとして、ファイナリストたちへ栄養指導 を実施。『世界一の美女になるダイエット』『美女の血液型別お弁当BOOK』『グルテンフリーダイエット』などの著書を始めとした執筆、雑誌、TV、新聞など幅広く活動。近著『ラブダイエット』(幻冬舎)では、愛情と食べ物の関係を彼女らしい視点で分析し、話題を集めている。

    公式HP http://www.erica-angyal.com

    公式FB https://www.facebook.com/ericaangyal

    公式instagram  https://www.instagram.com/erica.angyal/

     

    黒岩典子(くろいわ・のりこ)

    Noriko Kuroiwa/和菓子店主・和菓子職人。広告代理店、伝統工芸品のPRを経てアメリカで、日本の食器を紹介し、話題になる。その間、『日経トレンディ』などでライターとしても活躍。8年間のアメリカ生活を経て帰国。ラジオパーソナリティ、外資系カード会社のPRを経て『アヴェダ』のPRを10年間担当し活躍。2012年3月退職後、念願の和菓子職人の修行をはじめ、16年に和のかし『巡』(めぐり)をオープンする。

    和のかし『巡』 http://www.wa-meguri.com/

     

    三城円(さんじょうまどか)

    Madoka Sanjo/管理栄養士。一般社団法人 日本パーソナル管理栄養士協会代表理事、San-CuBic、一般社団法人 日本ジュニア・ユースアスリートサポート協会顧問。自分自身のダイエット・摂食障害の経験から、食べる恐怖 や罪悪感を持ち、食に苦しむ人を救うべく2011年“パーソナル管理栄養士”として独立。 “食べるダイエットで食自力アップ(食の自立)”を基本とし、ダイエット、摂食障害、アスリートのパーソナル食事コンサルティングを行う。2015年「管理栄養士キャリアデザイン 塾」をスタート、2017年12月より「(社)日本パーソナル管理栄養士協会」にてパーソナル管理栄養士の全国ネットワークづくりを行っている。エビデンスに基づく正しい知識で、わかりやすく栄養学を解説することで、女性誌をはじめメディアでも注目される。

    http://www.san-cubic.jp/

photo:Getty Images(p.1~3, p.5~6) text:Manabi Ito

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