特集 2013/9/9(月)
世界のおやつfrom Singapore/haru

シンガポールは「月餅」商戦、真っ最中!

シンガポールの中秋節に欠かせないのが、日本でもお馴染み、「月餅」です。この時期ならではのおやつを紹介します。

人口の7割以上を中華系が占めるシンガポールでは、中秋節(今年は9月19日)は大きな年中行事のひとつです。当日は、家族や仲間と月を眺めて楽しむことはもちろん、チャイナタウンではランタンが飾られ、華やかなライトアップも行われます。

中華老舗菓子店、「大中国餅家」などでは、"月餅によく似たお菓子"なら年中販売されています。しかし、「月餅」はこの時期にしか販売されないんです。このあたりの特別感は、華人が大勢を占めるせいでしょうか、古くからの伝統が保たれていますよね。

この時期、中華菓子店ではもちろん、ホテルや洋菓子店、カフェなどどこでも月餅は販売されています。

今年開店20周年を迎えるシンガポール高島屋では15年前からこの時期に月餅催事場を設けています。催事場には40店舗以上の出店があり、それぞれが工夫を凝らした月餅を販売しています。毎年、様々な新作が登場するので、私たちは一店舗づつ味見をしながら、好みの一品を探すことを毎年の楽しみにしています。会場全体の雰囲気は、ちょっと日本のヴァレンタインデーの時に似ています。

現在では日本のお中元のようにお世話になった方への贈答品として購入されることが多いせいか、味よりもパッケージが年々豪華になり過ぎていると言う意見もあるようですが、工夫を凝らしたパッケージはそれを観るだけでもとても楽しいです。お店によりお値段は様々ですが、4つ入りで60ドル(約¥4,600)前後が主流でしょうか。10箱くらい買っている方も見掛けます。

お味は?と言うと……
一般的なのは、小麦粉生地にアヒルの卵の黄身と蓮の餡を入れて焼いたベイクドタイプです。ひとつ約15~18ドル(¥1,150~¥1,380)。めでたくも黄身が2つ入っているバージョンもあります。日本や中国の月餅よりかなり大きく、ずっしりしています。

ほかには、左から黒ゴマペーストと糖分控えめ蓮餡入り、変わり種でイベリコハムとミックスナッツ入り。イベリコハム入りは少し塩味があって、味の変化が感じられ飽きずに食べることができました。

最近は餅粉を使った焼かないスノースキンタイプがシンガポールでは人気です。見た目にも色が鮮やかで、中身も南国ならではのフルーツ味(もちろんドリアンも! )や抹茶、チョコレート、コーヒー、キャラメル味、アルコールの入った物などがあり、どちらかと言うと洋菓子に近く、大きさも小さめでベイクドタイプより軽く食べやすいです。

ただ生のため冷蔵庫保存で、賞味期限が3~4日、常温に戻したら3時間くらいで食べなくてはなりません。こちらは、ひとつ約8~12ドル(¥770~¥920)。これはライチペーストをチョコレートでコーティングした物が入っています。

ハーゲンダッツもアイス月餅を販売しています。ひとつ25ドル(¥1,900)! 毎年全種類制覇が叶わないのですが、まだ日にちもあるので、お腹とお金と相談しながら色々なフレーバーを楽しんでみたいと思います。

  • haru●商社に勤務後、1997年に渡仏。フランス・パリRits Escoffierにて製菓のDiplomeを取得した後、Hotel Ritsにてスタージュ。1999年2月より13年間、東京駒沢の自宅にてEcole de patisserie chez haruを主宰。現在、シンガポールに場所を変えて活動中。新店mp立ち上げ、メニュー開発、レシピ提供をしている。
    http://www.mangosteen.com.sg/lesson/culture-cake/

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