特集 2016/8/31(水)
世界のおやつ from Paris/おおみやかな

パリのマルシェ最前線! プラムの季節がやってきた!

朝夕にひんやりとした空気を感じるようになった頃、マルシェには色々な種類のプラムが並びます。この季節、マルシェでよく見かけるのは好みのプラムを箱入りや袋一杯に買うフランス人。食後のデザートにそのまま食べたり、コンフィチュール(ジャム)にしたり。ですが一番楽しまれているのは、こんがり焼きあげたタルト。今日はそんなフランス人たちがこだわるプラムと、フランスで最もよく作られている超定番の簡単タルトをご紹介します。

マルシェ散策で目にするプラムの売り場は、たいて色分けされて販売されています。プラムルージュ(赤色のプラム)、ジョーヌ(黄色)、ローズ(桃色)、ノワール(黒)など、大雑把な感じで並んでいるところがフランスらしい!

なかでもとくに愛されているフランス産のプラムには、堂々とその名前が黒板に書かれています。そしてその名前の由来には、素敵なストーリーがあるんです。まずは「Reine Claude(クロード王妃)」という名前を持つ高貴な雰囲気漂うプラムのお話から。
 
このレンヌ・クロードの名前の由来は、レオナルド・ダ・ヴィンチをフランスに招いたことで知られるルネサンス期のフランス国王フランソワ一世の妃、クロードからきているそう。このクロード王妃はとても慈悲深く、国民から愛されていた女性。そんな彼女が好んで食べていたことからこの名前で呼ばれるようになったとか。ほかのプラムとは違う雰囲気を持つレンヌ・クロードは、少しくすんだ青梅のような色と形で、一見すると熟していないの? と不安になってしまいますが、実は熟しても色は変わらず緑色のまま。酸味はほとんどなく、穏やかな甘みとねっとりとした食感にファンが多いプラムです。王妃様と同じく、私もそのひとりです!

そしてお次は「Quetsches(クエッチ)」というアルザス名産のプラム。アルザス人が地元の果物として誇りを持つこのクエッチ、残念ながら普通のプラムと見分けがつかない人も(その場合、アルザス出身の方に非常に怒られてしまいます!)。ですがマルシェでもしっかりと区別されて売られているこだわり派のプラム。スーパーに並んでいる所は見かけたことがありません。美しい黒紫色に小さなラグビーボールのような形が特徴で、普通のプラムよりもずいぶんと小ぶり。皮に渋みが多くあり、酸味は軽く、熟すと酸味と渋みが和らいでさっぱりとした甘味に。このクエッチは普通のプラムよりも果肉がしまっているので、生食よりもコンフィチュールやタルトにされることが多い気がします。スーパーでは見かけることのないクエッチは、マルシェならではの果物かもしれません。
 
最後にフランスで作られる「この季節のタルトと言えばこれ!」というくらい定番なシンプルなタルトをご紹介します。

>レシピは次のページをチェック!

  • おおみやかな●日本・フランス国内のレストランにて仏料理と菓子を学ぶ。パリ在住日本人と結婚後、自宅での料理教室活動を開始し日本でも簡単に再現できる仏家庭料理レシピを紹介。育休中にトータルフードコーディネーター資格取得。ヴァンブの蚤の市がパワースポット。

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