マフィアの象徴!? それとも、男女の愛の象徴!? 「カンノーリ・シチリアーニ」
パスクア(復活祭)も終了し、街路樹が新緑で煌めく5月。アウターなしで過ごせる日も増えて、本格的な夏の到来を肌で感じる季節です。こんな気候になるとイタリアの島々でのバカンスが恋しくなり、そこで食べたドルチェが脳裏をよぎります。ということで、今回ご紹介するのは、シチリアの代表的なお菓子「カンノーリ(Cannoli)」です。
店内を見渡すと、ドルチェコーナーとパンなどの軽食コーナーがあり、カッサータ(Cassata)やイーリス・フリッタ(Iris Fritta)などのリコッタを使ったドルチェや、3種類のアランチーニ・ディ・リーゾ(Arancini di Riso:丸いおにぎりに具を詰めて揚げたようなもの)など、シチリアの名物が並んでいます。そんな中、もちろんお目当ての「カンノーリ」もありました!
見た目は、大きさも、皮の感じも、シチリアで食べたカンノーリにそっくり。でも「味を見るまでは安心できない……」と、まだ気を抜かず、同時に高まる期待で胸を膨らませ、カンノーリを口に運んでみました。
すると……「あっ、同じ!!!」と、そのおいしさにびっくり。シチリアでしか味わえないと思っていた、羊乳のリコッタの香りと軽い口どけで口の中がいっぱいになりました。
食べた直後に、お店のオーナーに「シチリアで食べたのと同じでおいしかった!」と伝えに行くと、それもそのはず、カンノーリは3日に一度、シチリアから直接取り寄せているのだそう。ちなみに、大きいカンノーリは1つ2ユーロ、小さいサイズもあって、こちらは1つ1ユーロとお値段もお手頃です。
最後に、カンノーリの皮とクリームのマリアージュを詩的に表現した一節をご紹介。
「Il cannolo siciliano rappresenta l'amore tra un uomo e una donna, la cialda che rappresenta la virilità, la durezza, avvolge in un abbraccio di protezione la ricotta, che rappresenta, con il suo candore, la morbidezza, la dolcezza e la delicatezza della femminilità.」
(カンノーロ・シチリアーノは男女の愛の象徴。皮は、男らしさ、厳格さを表現し、純白さ、柔らかさ、優しさ、繊細さ、といった女性らしさを表すリコッタを抱くように守り包んでいる。)
(Davide C. M. Ortisi, Filosofia in Pillole, Armando editore, 2013)
ボローニャで本場のカンノーリを楽しみたい方は、ぜひこちらのお店に立ち寄ってみてください。カンノーリを頬張って目を閉じると、そこにはシチリアの海が浮かんでくるはずです。
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Bar Gardenia Pasticceria e Rosticceria
Via Triumvirato, 87/3, 40132 Bologna, Italia
tel. +39-051-383247
http://www.gardeniabologna.it/
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Mari●大手経営コンサルティング会社にて経営コンサルタントとして勤務後、2006年に渡伊。2人の男の子のマンマをしながら、「フェリチターリア」の通訳者・翻訳者・個人旅行同行アシスタントとして、「食の都」ボローニャを中心としたイタリアの魅力を発信中。
http://www.felicitalia.net/