特集 2016/7/4(月)
世界のおやつ from Barcelona/ryoko

バルセロナの夏に欠かせないスイーツ、「コカ」って?

「サンフアンの火祭り」をご存知ですか? スペイン各地で祝われる「サンフアンの日」(カタルーニャ語ではサンジョアンの日)とは、6月24日の聖ヨハネの日のこと。これがちょうど夏至の時期と重なるため、夏の始まりの日として盛大に祝われています。今日は、バルセロナ人にとってはこの日に欠かせないという食べ物を紹介しましょう。

中世の頃からヨーロッパでは、日が一年で一番長く夜が短い夏至の日に「もっと日が照って農作物の恵みがありますように」と、太陽に力を与えるためたき火をたいて祈りを捧げたそうです。この日は、現在でもたき火や花火など、火にまつわる事をして祝うのが通例。これが夏の始まりとされ、実際この日以降、学校などは長いバケーションに入ります。

ここバルセロナでは前日の夕方から大変なお祭り騒ぎです。ビーチには人が集まって、たき火をしたり歌ったり踊ったり、あるいは花火をしたり。街中では子どもたちが爆竹やロケット花火を響かせます。この音がものすごく、しかも夜通し続くので、夜寝れないこともあるくらい。
 
私は今年、友人の家にお呼ばれしたので、サンフアンには欠かせない食べ物、おいしい「コカ」を求めて買い物に出ました。

今回訪ねたのは、ミシュラン一つ星のレストランが経営するお菓子屋さん、「Pastelería Hofmann(パステレリア ホフマン)」です。おしゃれでボヘミアンなボルン地区にあり、いつも流行に敏感なバルセロナの人で賑わっています。創立者ホフマン女史は多くのシェフやパティシエを輩出した料理学校を設立した人で、彼女のレストランもミシュラン一つ星が付く実力のある店です。残念ながら2016年5月に亡くなりましたが、彼女の功績はバルセロナの人に広く認知され愛されています。スペイン一の称号を得たクロワッサンをはじめ(こちらはまた後日記事に致しますね)、美しいスイーツ達に目移りしそうでしたが、今回はコカを無事にゲット!

これがバルセロナでサンフアンのお祝いには欠かせない、「コカ・デ・サンフアン」です。種類はたくさんありますが、ドライフルーツでデコレーションされたものが定番とされ、太陽を模した丸い形をしています。友人宅でのバーベキューが終わったあと、「このコカはホフマンで買ったの」とテーブルにのせると、とバルセロナっ子から歓声が! 期待度が高まります。カヴァ(カタルーニャ産のスパークリングワイン)を片手に、早速みんなで試食。ふわふわとしたブリオッシュ生地の上に、はオレンジとチェリーの砂糖漬け、カスタードクリームと松の実がのっています。食べてみると……意外に甘くなく、カヴァなどのお酒にちょうど合う、大人の甘さ。チェリーがしっかりとして、オレンジの甘さとほろ苦さがいいアクセントになっています。スペインのお菓子には珍しく(!)甘さ控えめなので、日本人の私でも、カヴァを片手についついもう一つ……と手が伸びてしまいました。バルセロナっ子いわく、この控えめな甘さでカヴァが進むから、お祝いにぴったりなのだそう。また、このホフマンのコカは通常のコカよりふわふわ度が高く、パンの良い香りがしておいしかった、と喜んでくれました。
 
日本でも友人や家族と夏を楽しんでくださいね。ではまた!

  • ryoko●2011年よりバルセロナ在住で、只今バルセロナの大学でジャーナリズム専攻中。世界中の食べ物を制覇しようと企む一方、食と健康にも興味ありで今はココナッツシュガーにはまり中。

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