アジアのベストレストラン50、決定!
去る2月23・24日に開催された、第2回アジアのベストレストラン50(Asia's 50 Best Restaurants 2014)。全アジアのトップレストラン50位にランクインしたレストランのシェフが、一堂に会する華やかでエキサイティングなイベントの様子を、シンガポールよりリポートする。
今年のフォーラムの大テーマは“Future of Food”(食の未来)。サステナブルで地球にやさしい食材の調達方法や、伝統的な料理との向き合い方などを論題に、11人のシェフがプレゼンテーションを行った。日本からはNarisawaの成澤由浩氏が森や里山文化の重要性を説き、「シェフは、今日明日のことだけではなく100年後、200年後のことを考えて行動する必要がある」と述べた。またパタヤ・シェラトンホテルのジャック・ヨス氏は、輸入食材に頼らず地産池消を進めるために、地元の農家と協力し、時間をかけて食材を作り、地元の流通を大きく変えてきた成功例を語った。
午後のフォーラムでは、Restaurant Andreのアンドレ・チャン氏が、「シェフは自身のアイデンティティを見つめなおし、それを打ち出していくことで他店との差別化をはかるべきだ」と発表。その他デイヴィッド・トンプソンの司会によるパネルディスカッションなど、充実した内容で締めくくった。
全体を通じて、「トップシェフには世論を引っ張り、地球の未来を考え、そして食の未来を創っていく責任がある」という強いメッセージが伝わるフォーラムだった。
“シグニチャー・ディッシュ”をテーマに行われたワークショップは全7種類。写真は、メルボルンにあるレストラン、Atticaのベン・シャウリーシェフのもの。生まれ育ったニュージーランド郊外の田園風景をイマジネーションの源とし、地元の野菜やハーブにこだわるシャウリー氏のワークショップは、見たことがない食材ばかりでエキサイティング。
左はオーストラリアの伝統食材、ドライリバートラウトについて説明するシャウリーシェフ。右上は、シャウリー氏が子供の頃に慣れ親しんだ鳥、プケコの卵に似せて作ったチョコレートの卵。葦の葉で作った巣にのせて。下はミツバチの巣箱に似せて作ったキュートなデザート。レモンタイムのはちみつやフェンネルのソルベ、タイムのメレンゲなど、口に入れるとハーブの香りが爆発する仕立てだ。
>>次ページではいよいよベストレストランを発表!
photos : Tomoko Osada text : Hiroko Sasaki cooperation : Singapore Tourism Board